7月8日~10日の3日間、菊池高校生2年生が菊池市役所でインターンシップを行いました。
そのうちの5人が7月9日に広報交流係の仕事を体験。多文化共生について学び、実際に菊池に住む外国人や外国人を雇用している企業の担当者にインタビューをしました。
熊本県では外国人の人口が増加しています。菊池市の外国人の人口は令和7年5月末の時点で1469人、総人口の3.1%を占めています。
日本国内では少子高齢化が進み、働き手が不足しています。外国人の働き手は多くの企業にとってなくてはならない人材です。
異なる国籍の人や民族が同じ地域で生きていくためには「多文化共生」という考えが必要です。多文化共生とは地域に住むすべての人が、お互いの文化を理解し合い、協力しあって生きていくことです。
高校生に菊池の多文化共生について理解してもらうため、森北に工場を構える井和工業(株)に訪問しました。
井和工業(株)は大阪府や埼玉県など全国に工場を持つ、合成樹脂製品の成形や加工、組立などを行う会社です。熊本工場では、社員約150人のうち、約40人のベトナムやミャンマーなどから来た外国人が働いています。
工場見学では、仕事をする上で外国人が働きやすい仕組みを教えてもらいました。納品された部品は、文字が書けなくても作業ができるようバーコードがついており、読み込むとデータ入力ができるシステムが導入されています。また、作業工程の説明や工場での注意事項の張り紙には、日本語だけでなく英語やミャンマー語でも書かれていました。
技能実習生を受け入れる企業は、実習生に対して住居や家電など生活に必要な支援をしなければなりません。また、井和工業(株)では周辺の買い物スポットを外国語表記で案内する資料も作ったり、社内イベントを積極的に開催し社員同士の交流を深めたりと働きやすい環境づくりに取り組んでいます。社員の鍬田圭佑(くわだけいすけ)さんは「とても一生懸命働いてくれて、自分たちが彼らから学ぶことがたくさんあります」と話しました。
広報の仕事を体験する一環で高校生がインタビューも行いました。井和工業(株)で働くグエン・ヴァン・クオンさん、カン・シー・トゥ・ヘインさん、ミン・トゥラ・ハンさんに話を聞きました。
Q.日本に来てよかったことや驚いたことはありますか
グエンさん 「少し前に妻が里帰り出産をするので休暇をもらって母国に帰りました。職場の人が気兼ねなく送り出してくれるのでありがたいです」
カンさん 「ミャンマーは内戦が続いていて夜は危険なので外に出られません。日本は夜もとても安全で驚きました」
ミンさん 「みんな自分を受け入れてくれてわからないところは優しく教えてもらえます。ミャンマー人はおかずよりもお米をよく食べるので、日本のお米の価格が高くて困っています」
企業だけでなく地域全体が互いの文化や考え方を理解し、どうすれば住みよいまちになるのか考えていくことで、市全体で多文化共生に取り組むことができます。理解するには人と関わることが大切です。外国人と関わるときは、ゆっくり話したりやさしい日本語を使ったりすることを心がけましょう。
▼インタビューに答える実習生の皆さん