1月28日に菊池農業高校で万葉集にも登場する多年草のムラサキを使った染色体験授業が行われました。菊池でムラサキの普及活動に取り組む坂本博(さかもとひろし)さん(高野瀬)や村田達郎(むらたたつろう)さん(西正観寺)らを講師に迎え、生活文化課の1年生21人が受講しました。
ムラサキは白い花を咲かせる多年草で根にシコニンという色素を含み、飛鳥時代から貴重な紫色の染料や薬の材料として大切にされています。
ムラサキが菊池地域に自生していたという書物を発見し、坂本さんや村田さんが主となり栽培を始めたことをきっかけに、日本や菊池地域の伝統的な生活文化を知るため菊池農業高校での授業が行われました。
菊池農業高校は2年前から栽培をしており、その根を使用しました。体験は今回が初めてで、日ごろから植物を使って染色を行う三池哲子(みいけてつこ)さん(川下)が教えました。
まずは村田さんからムラサキや染め方についての説明があり、次に坂本さんから菊池とムラサキの関係性について説明がありました。
染色は地入れ(染める布の繊維に水分をしみこませる)→染色(布を染める)→媒染(繊維に色を定着させる)→水洗という工程があり、全体を通して6時間ほどの時間が必要です。
今回は根を砕いて粉上にしたものを40度程度のお湯につけ揉んで染色液をつくる作業と、染色液に布を浸して色を入れていく工程を体験しました。
体験した松岡琴音(まつおかことね)さんは「初めて体験しましたが楽しかったです。色むらができないようにしわを伸ばして染めることが大事だと教わりました。染めた布はとてもきれいな紫でした」と話しました。
村田さんは「菊池の昔からある文化を次の世代につなげていきたいので皆さんの力で広めてください」と生徒たちに伝えました。
▼ムラサキの根を生徒たちに見せる村田さん
▼染色液に布を浸して染色する生徒たち