菊池一族 the Kikuchi Clan

02本城奪還

2023年07月07日

合志幸隆のイラスト画像

武光が豊田荘で大躍進を見せていた頃、菊池本領では大きな難題に直面していました。


1345(興国6)年、北朝方の合志幸隆が、菊池の本城(菊之城)を占領してしまったのです。


この当時、先代の武重亡き後、跡を継いでいたのは弟の14代武士でした。懸命に一族を牽引するべく奮闘していたものの、めまぐるしく変わる情勢の中での舵取りは非常に厳しいもので、ついには当主隠退の表明にまで至り、菊池は実質上の当主不在の状況にありました。

 


 

この急難の報せを、武光は奮い立つ心のままに受け取りました。

庶子として生まれ、当主の候補にも入っていなかった自らの活路が、この時目の前に示されたのです。

武光はすぐさま、盟友阿蘇惟澄に連絡を取りました。共通点も多く、ともに実力者であった武光と惟澄は互いによき理解者であり、深い親交を築いていました。この武光一世一代のチャンスに、惟澄は一切協力を惜しみませんでした。


「惟澄殿。菊池本城が、落とされたらしい」

「随分物騒な話だな。相手方に同情する」

「・・・・・・?」

「お前さんのその物騒な闘志の前では、相手の守りも十日と持つまいよ」

菊之城奪還の様子を描いたイラスト画像

 3月10日、武光は惟澄の援助を受けて菊池へ至り、昼夜を問わず激戦を繰り返しながら、まずは合志幸隆の築いた向城(むかいじろ)を奪取。それを足掛かりに本城を奪還して合志勢を追い落としました。奪われた城への攻撃を開始してから、6日目のことでした。


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