鎌倉時代の中ごろ、中国では元のフビライ=ハンがアジア全域への勢力の拡大に意欲を燃やし、朝鮮半島の高麗に続いて日本も従属させようと使者を送っていました。しかし鎌倉幕府はこれを無視していたのでフビライは怒り、ついに元と高麗の軍を九州北部に2度も派遣し、侵略を試みました。
結果的に2度とも元軍が撤退したため、日本は侵略されずに済みましたが、その恐ろしい強さは当時の人々を大いに震え上がらせました。
そんな元軍との戦いの様子を詳しく絵巻物として描いたものが『蒙古襲来絵詞』です。元々は、竹崎季長が自身の活躍を伝えるために描かせたものですが、当時のことを知る第一級史料として珍重されています。