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冨田甚平と冨田式暗渠排水技術
冨田甚平の功績
冨田甚平は江戸末期に菊池市七城町に生まれ、明治の農地改良に尽力しました。甚平の生まれた台(うてな)地区周辺の田んぼは、当時たいへん水はけが悪く、作業はとても大変でした。甚平はあぜ一つ違うだけで収穫に大きな差があることに気がつき、水はけが原因ではないかと考えました。
明治11(1878)年、1反4畝の小さな湿田を購入し、排水の実験を始めました。甚平は実験をつづけ、およそ25年もかけて暗渠(あんきょ)排水技術を考えだしました。排水のための土管を水田に埋め、排水、給水をコントロールするものです。水田からの排水口と水田外への排水口の高さが違うため、排水口に蓋をすれば水は流れずに水田となり、蓋を上げると水は流れるために田が乾く仕組みになっています。
この技術により、菊池だけでなく全国の多くの湿田が良質な田んぼへと変わっていきました。晩年、甚平は土地改良技術や農事改良全般の指導のため、日本各地にまねかれています。暗渠排水技術の開発者だけではなく、農業のすぐれた指導者でもあったのです。
土地改良の父ー冨田甚平企画展
冨田式暗渠排水技術の実物の土管や冨田甚平の遺品、紹介パネルなどを展示しています。
期限
平成31年2月3日(日)まで
ところ
わいふ一番館 まちかど資料館
冨田甚平シンポジウム
講演会とディスカッションの2部構成です。専門家や冨田甚平の関係者などをパネラーとしてお迎えします。
とき
11月10日(土)午前10時開演(午前9時30分受付開始)
ところ
七城公民館講堂
申込先
(株)熊日広告社(☎096(327)3161
多くの方のご参加をお待ちしています。

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