七城町前川区では、毎年12月29日の午前中に、藁(わら)で馬を作ります。それまでは1月2日に作っていましたが、年始で忙しい中集まることが難しいため、7年ほど前から年末の12月29日に作るようになりました。
馬を作る時、藁を撚ったりまとめる際に、水が入った霧吹きを時折使いながら作製していきます。たてがみや尻尾の部分などはハサミで切ったりして形を整え、完成します。馬つくりは、元々は子ども達が子ども頭の家に集まって馬つくりの作業を行っていましたが、現在は保存会の方を中心に作製されています。
また、馬には大根を斜めに輪切りした土台に、梅・竹・松の小枝を刺したものを添えます。昔は集落各戸に馬と一緒に配布し、各戸から餅を貰い、その餅を使ってぜんざいを作り、子ども達は集まって食べていたそうです。
昔の農家にとって、馬は田畑を耕したりものを運んでくれる大切な労働力でした。正月を迎えるときに、馬の一年間の労をねぎらい感謝する行事として、この子どもの行事は始められました。いつから行われ始めたのかははっきりとはしていませんが、長年地域で受け継がれた行事は、今も保存会の人たちによって継承されています。
今回は小学5年生が初馬つくりを体験しており、とてもかっこいい馬が完成しました。
一年前の馬は梅の木に飾るそうで、住宅の庭の梅の木にはたくさんの馬を見ることができました。