光化学スモッグに関するQ&A
Q1光化学スモッグって何?
自動車や工場などから排出される排気ガスや煙、蒸発した溶剤などが、太陽の強い紫外線を受けると光化学反応を起こし、光化学オキシダント(酸化性物質)と呼ばれる物質が生成されます。(70%~80%はオゾンと言われます。)この物質の濃度が高くなると、光化学スモッグが発生します。発生すると、白く“もや”がかかったようになり、遠くが見えづらくなります。このように視界の悪い日には注意が必要です。
Q2光化学スモッグの発生しやすい条件は?
4月から10月にかけての、天気がよくて日差しが強く、気温が高めで風が弱い日に発生しやすくなります。
Q3スモッグの原因は?
自動車や工場などから排出される排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)や揮発性有機化合物(炭化水素)が、紫外線により光化学反応を起こし、PAN(パーオキシアセチルナイトレート=過酸化アセチル硝酸)と呼ばれる物質に変化します。また、同時にオゾンも生成していて、これらが光化学オキシダントと呼ばれています。光化学オキシダントが高濃度になると、光化学スモッグが発生します。光化学反応は複雑であり、実際にはオゾンが70%~80%を占めると言われています。
他にも、上空(成層圏)にあるオゾンが下降気流により降りてくるという説や、大陸からの移流説等がありますが、はっきりしたことはわかっていません。
Q4現在の状況は?
平成18年6月7日には、熊本市に初めて光化学スモッグ注意報が発令されました。平成19年5月9日には、本市も含めて長崎県、福岡県、大分県、山口県、愛媛県等から新潟県に至るまで、22都府県の広範囲にわたって発令地域が拡大しています。今後も、いつ注意報が発令されてもおかしくない状況にあります。
Q5なぜ熊本県に発生するの?
平成19年5月9日の菊池市をはじめとする広範囲の注意報発令は、工業地帯ではない地域でも注意報が発令されたため、環境省による検討会が開催され、その中間報告が発表されました。報告によれば、大陸からの移流が考えられる場合には注意報レベルの高濃度を示すものの、その寄与率は不明であり、地域的・季節的など様々な要因や状況によって影響の度合いが変化するということです。
検討会:環境省では、平成19年7月に、学識経験者等による「光化学オキシダント・対流圏オゾン検討会」を設置し、光化学オキシダント及び対流圏オゾンの濃度レベルの上昇要因を明らかにすることとしました。検討会では4回にわたる議論を行い、今般、現時点で収集整理した既存の最新の知見及び当面取り組むべき課題を中間報告として取りまとめました。
Q6熊本県の対応は?
熊本県では、県内の光化学オキシダント濃度が発令基準を超えた場合に、光化学スモッグ予報、注意報、第1警報及び第2警報を発令します。
Q7光化学スモッグ注意報とは?
熊本県では、光化学オキシダントの濃度を県内19局(県12、熊本市5、九州電力2)の大気汚染常時監視測定局で測定しています。この濃度が高くなり、人々の健康に影響が出る可能性があるときに、光化学スモッグ注意報が発令されます。(光化学オキシダント濃度が0.12ppm以上になり、気象条件から見て、当該状態が継続すると認められる場合)
Q8熊本県ではどこに発令されるの?
平成19年度までは、測定局がある市町村を発令の対象としていましたが、平成20年度から発令対象地域を県内全域としました。これまでの観測データ等をもとに市町村をあらかじめ大気汚染の状況が類似すると見込まれる地域に分け、発令地域の大気汚染状況と関係する測定局の測定結果に基づいて発令地域ごとに注意報等が発令されます。たとえば、菊池測定局において注意報発令レベルに達した場合は、大津町や阿蘇地域にも注意報が発令されます。
Q9注意報等発令時の菊池市の対応は?
まず、熊本県が注意報等を発令したら、県は菊池市や報道(テレビ、ラジオ等)へ情報を流し、市民への周知依頼があります。その依頼を受け、菊池市では防災行政無線により市内全域に注意等を呼びかけたり、解除の広報を行います。また、市内の小中学校や幼稚園、保育園には直接本市の担当課から電話やFAXで連絡し、適切な対応を呼びかけます。
また、環境課においては、相談窓口を設けて市民の皆さんの相談等に対応します。
Q10注意報等が発令されたら
注意報が発令されるということは、光化学オキシダントの濃度が高いということですから、症状が出る可能性が高くなりますので、以下の点に注意する必要があります。
- なるべく屋外へ出ないようにしましょう。また、屋外での激しい運動はやめて屋内へ入りましょう。
- なるべく窓を閉めましょう。
- 病弱な子ども及び当日体の調子が悪い子どもは、屋内で休ませましょう。
- 白く“もや”がかかって、視界が見えにくくなった場合などは、運動を中止し、屋内に入るなど十分注意しましょう。
- 不要不急時の自動車の使用は避けてください。
- ばい煙を排出している工場等は、ばい煙量の削減に協力してください。
Q11光化学スモッグ注意報などの発令基準は?
熊本県では、熊本県大気汚染緊急時対策実施要綱に基づき、光化学オキシダント濃度の1時間平均値が0.12ppm(イメージ:天井まで3mの6畳間(4×6m)中に、8.6mlのオキシダント)以上になり、それが継続すると認められる場合は光化学スモッグ注意報が発令されます。さらに、0.24ppmで第1警報、0.40ppmで第2警報となります。
また、運用により、濃度が0.10ppm以上になり、注意報の発令が見込まれるときは、光化学スモッグ予報を発令されます。
なお、本要綱は実情にそぐわない点もあるため、平成19年度中に改正されることになっています。