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環境状況(大気・水質・ダイオキシン・放射線・防疫)

Environmental conditions (air, water, dioxin, radiation, quarantine)

光化学スモッグについて

2009年12月25日

光化学スモッグという言葉を知っていますか?

1970年7月、東京都杉並区でクラブ活動中の女子高校生が被害を受け、大気汚染の一つとして大問題になりました。その後も関東、関西地域などで発生し被害者も出ていますが、最近では、長崎県や熊本県でも光化学スモッグ注意報が発令されました。

熊本県の環境(公害)問題は、1956年に発生した水俣病はご承知のとおりですが、その後、地下水汚染や有明海・八代海の環境汚染など水に関する問題が多く、県民の皆さんは熊本県の空気(大気)はきれいだと思っておられることでしょう。

ところが、2006年6月7日に熊本市錦ヶ丘測定局で光化学オキシダントの濃度が午前10時頃から増加し始め、午後1時についに大気汚染防止法で定められた「光化学スモッグ注意報」を発令する濃度(0.12ppm以上)に達しました。

このため、熊本県では直ちに熊本市地域に光化学スモッグ注意報を発令しました。これは、1974年に荒尾市で硫黄酸化物によるスモッグ注意報を発令して以来30年ぶりの出来事として、マスコミ等でも広く報道されました。

さらに、2007年は5月9日に本市ではじめて注意報が発令され、県内では4日間、延べ7回の注意報が発令されており、今後の拡大が懸念されます。

1.光化学スモッグとは

下の図のように、自動車や工場などから排出される窒素酸化物(NOx)炭化水素、通称VOCと呼ばれる揮発性化合物などが、太陽からの強い紫外線を受けると光化学反応を起こし、オゾンなどの光化学オキシダント(酸化性物質)が生成されます。

この光化学オキシダントには色々な物質が含まれていますが、その70~80%が「オゾン」といわれています。

特殊な気象条件によって、この光化学オキシダントがたまり白いモヤがかかったようになることがあります。この状態が『光化学スモッグ』と呼ばれています。

『光化学スモッグ』のメカニズム

光化学スモッグのメカニズムの画像です。図の説明

工場・事業場や自動車などから発生した窒素酸化物、炭化水素が太陽からの紫外線を受けて光化学反応を起こし、光化学スモッグが発生します。

  


 

2.光化学スモッグ発生しやすい特殊な気象条件とは?

「光化学スモッグ」は、4~10月頃にかけて、日差しが強く、気温が20~25℃以上、風が弱く(3m/s以下)、視程が悪い(4km以下)日に発生しやすくなります。

一日のうちでは、午前10~11時頃から光化学オキシダントの濃度が増加し始め、午後1~4時頃に最も濃度が高くなります。太陽が沈んだ後は徐々に減少していきます。

3.情報の提供

菊池市では、光化学スモッグによる健康被害を防止するため、「光化学スモッグ注意報」が発令された時点で防災行政無線により市民の皆さんに注意を呼びかけます。

また、注意報等が発令された場合は、各報道機関からも発令・解除情報が流れますので、テレビやラジオ等の情報にも十分注意してください。

インターネットによる情報提供

熊本県では、光化学スモッグ注意報等を発令した場合、発令地域や発令時刻などの情報を、次のWebサイトでお知らせします。

熊本県大気汚染監視システム

https://kumamoto-taiki.jp/index.html


4.光化学スモッグ注意報等

光化学スモッグに関する予報及び注意報等の種類は次のとおりです(熊本県大気汚染緊急時対策実施要綱第4条)


表:熊本県大気汚染緊急時対策実施要綱第4条
発令呼称発令基準
予報1測定点において、1時間値が0.1ppm以上になった場合
注意報1測地点において、1時間値が0.12ppm以上になった場合
第一警報1測定点において、1時間値が0.24ppm以上になった場合
第二警報1測定点において、1時間値が0.4ppm以上になった場合


5.注意報の連絡体制

光化学スモッグが大きな問題になる理由の一つとして、子供たちの健康被害が多いことがあげられます。

これは、光化学スモッグが発生する春から夏にかけては、日差しが強くなり、子供たちが屋外で運動したり遊ぶ機会が多くなる時期だからです。

このため、菊池市では、管内において光化学スモッグ注意報が発令された場合は、市の安全対策課、各総合支所、教育委員会、子育て支援課などの関係機関に連絡するとともに、子供たちの健康被害を防止するため、学校、幼稚園、保育所などに連絡します。また、プールなど人が大勢集まる施設にも連絡します。

6健康被害の防止

健康被害の症状は...

  1. 目の症状(目がチカチカする、目が痛い、涙が出る等)
  2. 呼吸器の症状(喉が痛い、せきが出る、息苦しい等)
  3. その他の症状(吐き気、頭痛等)

これらの症状の大部分は比較的軽症の一過性のものであり、被害の発生場所は屋外がほとんどです。

重い症状を訴えるのは、多くの場合、屋外での運動中の被害ですが、同じ状況にあっても症状がでない人もあり、個人差があります。

光化学スモッグが発生したときは

光化学スモッグの健康被害者は、子供たちに多いのが特徴です。子供たちの健康被害を未然に防ぐため、次のことを実行してください。

  1. 病弱な子供及び当日体の調子が悪い子供は屋内で休ませてください。
  2. 屋外での過激な運動はなるべく避けてください。
  3. なるべく窓を閉めてください。
健康被害が発生したときは

健康被害が発生した場合は、次の事項に留意して、速やかに適切な措置をとってください。

  1. 屋外での運動をすべて中止し、屋内に避難し、水で洗眼、うがいをしてください。また、屋内ではなるべく窓を閉めてください。
  2. 手足のしびれ、呼吸困難、失神等の症状が発生した場合は、医師の手当を受けてください。
  3. 眼疾患、呼吸器疾患、甲状腺機能亢進症、アレルギー体質等の子供は、特に健康被害を受けやすいといわれていますので、異常を感じた場合は、医師の手当を受けてください。
  4. 被害を受けた子供が、被害について心理的な影響を受けることも考えられますので、動揺を与えないように配慮してください。

お問い合わせ

市民部環境課環境政策係 電話:0968-25-7217

菊池保健所衛生環境課 電話:0968-25-4135

熊本県庁環境保全課大気・化学物質班 電話:096-333-2269(直通)

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