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菊池が生んだ芸術家たち

Artists born in Kikuchi

片瀬 弘〜古き良き菊池を写し撮った水彩画家〜

2015年05月01日

片瀬 弘 (かたせ ひろし、1894-1989)

片瀬弘氏の写真

 


 


菊池郡隈府に生まれる。旧制鹿本中学校卒業後、台湾総督府国語学校師範部に入学。卒業後は同地の公立学校教師として勤務した。1927年に官職を辞し、現地教育用の教科書編集業務にあたるかたわら絵画制作に勤しむ。水彩の風景画を得意とした静岡県出身の石川欽一郎に師事し、同年創設された台湾美術展(後の台湾総督府美術展)に入選。その後連続で入選し、会員となる。この頃は主に日本画を描いていた。

1946年、終戦を期に帰国し、菊池郡迫間に居を構える。帰国後も教科書出版に携わりつつ、水彩による絵画制作を続け、1960年に県外へ転居するまでの十数年間に、故郷の風景を数多く描き残した。カラー写真が普及する以前の、菊池の山々や河川、集落や町並みなど、今では目にすることのないノスタルジックな風景を仔細に現在に伝える片瀬の作品は、今もなお見るものを魅了してやまない。詳細な経歴や画家としての活動状況などには不明な点が多く、今後の研究が待たれるところである。1991年、次女である内藤玲子氏より、菊池を描いた風景画を中心に作品40点が菊池市に寄贈された。

片瀬弘「城山より見下ろす隈府町」、1946-1960年、菊池市蔵

片瀬弘氏の作品「城山より見下ろす隈府町」の画像

 


 



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