吉野 正明 (よしの まさあき、1913-1994)
吉野正明は菊池市赤星に生まれる。戦後菊池市内の中学校で一時美術教師をしていたが、本格的な絵を描きたい一心から東京に転居した後、都内の中学校教師となり、学校に勤めながら、画業に専念し二科展で開花した。昭和16年二科展に初入選以来、二科展一途に毎年出品し、昭和42年に会員推挙、59年には二科展評議員となる。その間同展特選、会員努力賞、日本美術選賞、日本芸術文化賞などを受賞する。
在郷中には主に阿蘇や鞍岳、八方ヶ岳、近隣の里山、河川などの風景画を数多く書き残した一方で、晩年の絵はヨーロッパの古城や中世時代の市街地を中心にした画題で数多くの大作を発表した。菊池市にはその一部の名作を数点寄贈されている。
吉野正明「フローレンス」、1971年、菊池市中央公民館蔵