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「嶋屋日記」の風景

Scenery of "Shimaya Diary

「嶋屋日記」とは

2018年01月09日

「嶋屋日記」は隈府町の商人によって書かれた、江戸時代の古記録です。現在、教育委員会が所蔵しており、昭和41年に菊池市の文化財として指定を受けています。昭和62年には『嶋屋日記』として翻刻が出版されました。今年度には補修も行い、次代へ受け継ぐため大切に保管しております。

8冊が現在伝わっており、筆写者は嶋屋という屋号に関係する人々です。そのうちの一人、宗伝次は正観寺にある菊池武光公の碑を建てる際に私財を提供したことが伝えられており、地域に貢献する立場にいたことがうかがえます。碑についても「嶋屋日記」の中に記述が残っています。

構成は、下記の通りとなっております。


表:嶋屋日記の構成
1.年々鑑寛文12(1672) ~安永4(1775)嶋屋市兵衛(岡山仙助)
2.年々鑑元禄11(1698) ~寛政13(1801)横屋九兵衛(宗伝次)
3.(表題なし)安永5(1776) ~天明元(1781)不明(岡山仙助か)
4.永代後用実録日記天明2(1782) ~天明5(1785)嶋屋市兵衛(岡山仙助)
5.永代後用実録日記天明5(1785) ~寛政4(1792)宗文五郎
6.永代後用実録寛政4(1792) ~寛政9(1797)宗(名の部分が欠損)
7.年々鑑享和元(1801) ~文政8(1825)宗専九郎(只助)
8.見聞録寛政4(1792) ~文久2(1862)中嶋三郎平(真親)


「嶋屋日記」の中には、松囃子の能番組や米相場、大火・洪水・喧嘩・著名人の来訪などの出来事が書かれています。話題に挙がる地域は菊池に限らず、玉名、宇土、八代や九州外の地域のことも含まれています。全て筆写者が目にしたものではなく、伝え聞いた情報も加えているということでしょう。私的な記録というよりも、情報を共有することや後世へ伝えることを目的とした記録であるのは、4~6冊の「後用実録」という題にも現れています。


「嶋屋日記」の風景では、書かれている出来事の中から興味深いものをピックアップし、紹介していきます。また、現在、菊池市図書館で作成中の「菊池デジタルアーカイブ」(https://da.library-kikuchi.jp/)では、「嶋屋日記」全8冊をデジタル化し公開しております。ぜひ、併せてご覧ください。

「嶋屋日記」の写真

 


 


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