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ともに生きる(2) ― 音と人、そして光 ―

更新日:2015年11月11日
菊池市視覚障がい者福祉協会会長 河津善宣(かわつよしたか)さん(67歳)

河津さんの写真「ラジコって知ってますか?」

笑顔で話されるのは、菊池市で鍼灸院を営まれている河津善宣さん。

「野球が好きで、よくラジオ中継を聞いているんですが、熊本のラジオ局ではあまり中継をやってないんですよね。でも今は、インターネットの『ラジコ』というもの(アプリ)で全国のラジオが聴けるんですよ。東京や名古屋のラジオ局でだいたい野球中継をやっているので、よく聴いていますよ。」

河津さんは、先天性の緑内障で小さいときから視覚に障がいがあり、現在はほぼ失明されています。

今回は、鍼灸院を営まれるかたわら、菊池市視覚障がい者福祉協会会長として視覚障がい者の方々への情報発信、社会参加の促進などにご尽力されている河津さんを取材しました。

学生時代から社会人へ

「生まれつきなんですよ。
当初は、片眼が0.00、もう片眼が0.03。人や物の形は確認できましたので、小学校と中学校は地元の一般公立学校に行きました。緑内障は、焦点がずれて、ぼーっとなることがあるんです。黒板の字や教科書の字が少し見えなくなるということはありましたね。そのあと、東京(八王子)の盲学校へと進学しました。おじが八王子にいまして、おじから『うちに来ないか』と誘われたんです。
今の仕事につながっている鍼灸師とマッサージ師の資格は、盲学校(5年間)時代にとりました。
職業学校のようなところだったので、高等部でマッサージを勉強して、そのあと専攻過程で鍼灸を2年間学びました。当時はこの仕事しかないと思っていましたので、ほかの就職を考えることはなかったですね。
盲学校を卒業してからは、3年間は東京(住み込み)で働きました。それから菊池市へ戻ってきて、地元の病院で働くことになりました。病院には定年まで勤めて、定年後に今の鍼灸院を開設したというのが私の経歴です。」

失明へ。誰にも分からない恐怖と不安

「今の状態になったのは、40代の頃、今から20数年くらい前ですかね。
目をぶつけてしまったんですよ。そのときからだめ(失明)になりました。
それまでは少しずつ悪くなっていくような状況で、まだ少しは見えていたんですが、目をぶつけた時に完全に見えなくなりました。今は少し光を感じる程度です。」

「とても不安でしたね。これから、どうなるんだろうかと・・・。これは、なった人にしか分からないです。」

菊池市視覚障がい者福祉協会との出会い

「菊池市に戻ってきたときに、初代の視覚障がい者福祉協会長から誘われて加入しました。
菊池市の協会の発足は、はっきりとは分からないですが、おそらく50〜60年は経つと思います。
菊池市視覚障がい者福祉協会というのは、熊本県視覚障害者福祉協会の支部になります。利用者の相互の情報共有と支えあいが中心ですね。
交流会の様子の写真菊池市の会員は14・15名で、会費は年間2,000円いただいています。
普段は、熊本県視覚障害者福祉協会主催の歩こう会や感謝の集い、ひこばえの会との交流会などに参加していますね。年間に5回程度はみんなで外出しています。
菊池市の協会での独自活動は、会員も高齢の方が多くかなり厳しいです。」

「以前の会長から、菊池市には100名を超える視覚障がい者がいるというようなことを聞いたことがありますが、今は個人情報保護により、我々ではどこに視覚障がい者の方がいらっしゃるか分からないのが現状です。また、連絡が取れても、高齢などの理由で会員になれないという方も多いんですよ。」

音とともに

― 普段の生活の中で、「ともに生きているもの(こと)」といったら何がありますか?

 「今はパソコンですね。パソコンが一番の友達です。」

― パソコンですか(汗)。(「家族」などの回答を想定していたので・・・)ほかには何かありませんか?

 「他には、『音』と『人の手』ですね。」

パソコンに向かっている河津さんの写真「私たちは目が悪いですから、音声が一番の頼りになります。また、人の手(ガイドヘルパー、ボランティア)もとても大切ですね。
今のパソコンは、キーボードを打つと言葉が返ってくるんですよ。私たちはマウスが使えません。移動はテンキーやカーソルキーを使います。もちろんテンキーやカーソルキーも読み上げてくれます。
また、変換した漢字も音読み訓読みと両方で読んでくれるんですよ。メニューも一つ一つ読み上げてくれますので、画面は見えなくても入力したり選択することができるんです。
『ラジコ』もパソコンで聴いていますし、電子図書もパソコンで聴きます。ワードやエクセルも普通に使っていますよ。そういう意味では、パソコンを利用して『音とともに生きている』と私は思っています。ただ、印刷した内容のチェックは私ではできませんので、そこは妻に読んでもらっています。」

「また、音に関する話ですが、『音声信号機』がない交差点では、『音』と『(車が来ていない、または停止している)気配』で渡っています。たまには、一緒にわたる人が『青ですよ』と教えてくれることもありますが、1人しかいないときには『見切り発車』している状態ですよ。
危なかったこともあります。かなり注意して渡ってはいるんですが、実際には赤か青かは分からないからですね。」

人とともに

「先ほども話しました同行援護サービス(※)のガイドヘルパーさんたちや、音訳ボランティアの『ひこばえの会』の皆さんにもいつも支援してもらっています。
知らない場所に行くときには、家族と一緒に行くか、同行援護でガイドヘルパーさんと一緒に行くことになります。熊本市内など人も交通量も多いようなところは必ず同行援護を利用しています。」

※同行援護・・・視覚障がい者が外出する際に、同行して支援するヘルパー事業(市町村が決定する障がい福祉サービスのひとつ)

「もちろん家族に対しては、いつも手伝ってもらってとても感謝しています。
大きなけんかとかはないのですが、やはり、見えないことで『もたつく』ことが実際にありますので、その点はイライラすることもあるんじゃないかなと思います。人間ですからね。」

「とにかく『明るく』が私のモットーです。」

河津さんと河津さんの奥さんの写真こう話されるのは、奥さまの河津君代(かわつきみよ)さんです。
奥さまは次のように続けられました。

「笑わせることだけですね。毎日笑わせていますよ(笑)。だから家が沈まないんです。私が大切にしていることはそれだけですね。私の家では、『誰かが手伝う』というのが普通になっています。
結婚当時はもちろんたいへんでしたけど、『なるようになるさ』でやっていました。『手伝ってやらなくちゃ』という気持ちじゃなかったです。
たとえば、水をこぼしたら私が駆けつけて拭くということじゃなくて、善宣さんが拭けるだけ拭いて、残りを私が拭く。そういった感じですよ。
目が悪いといっても自分の家の中では普通に歩けますし、外に出た時にはもちろんお手伝いをしますが、今は福祉や介護の制度がとても充実していますので、家族だけで一生懸命に支援するという感じではないですよ。行政にもとても助けてもらっています。
一つのものが壊れていると一つのものが発達するんですよね。目が悪かったら耳がよくなったりとか。補うようになってるようですね。神様がそういうふうに作っているんだと私は思います。」

お伝えしたいこと

― この記事を読まれている皆さんに、何かお伝えしたいことはありますか?

「障がいをお持ちの方は、やはり外に出た方がいいですよ。情報を取り入れるということはとても意味があることだと思います。またみんなとの親睦、お互いを助けあうこともとても大切だと思っています。私たちは、1人で外出することは容易ではありません。しかし、情報収集や人との出会いのために私は外へ出ています。」

「そのほかに、外出先で一番困るのは、車が歩道に止めてあるときですね。これはとても困ります。」

今回の取材は、先に開催されました視覚障がい者とボランティアの「ふれあい感謝のつどい」に同行させてもらい、その後、ご自宅へとおじゃまさせてもらいました。

終始明るく笑顔の河津さんと奥さんを見ていると、河津さんが以前見られていた光は、今は奥さんの目を通じて見られているんだろうなと感じました。

視覚障がい者の皆さんと支えられているボランティアの皆さんのご活躍と社会参加を心から応援いたします。


お問い合わせ

菊池市役所 健康福祉部 福祉課 障がい福祉係
電話番号:0968-25-7213この記事に関するお問い合わせ


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菊池市役所

所在地:〒861-1392 熊本県菊池市隈府888 電話番号:0968-25-7111(代表)
各課直通のお問い合わせ先はこちら
法人番号:2000020432105

菊池市の人口情報

[令和3年9月]
  • 人口 47,589人
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  • 女性 24,726人
  • 世帯 19,656世帯

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