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韓国発見シリーズ82 韓国の干潟が世界遺産に選ばれた理由

2021年09月01日

今年7月に韓国の西南海岸にある干潟4カ所がユネスコ世界遺産に登録された。

この干潟は世界的にも有名で、カナダ東部海岸、アメリカ東部海岸、北海沿岸、アマゾン川流域と共に世界5大干潟地域として知られている。

ユネスコは世界遺産登録審査の過程でこの干潟を「地球生物多様性の保存のために世界的に最も重要で意味のある生息地の一つであり、特に絶滅危機に瀕している渡り鳥の生息地として顕著な価値が認められる」と評価した。

この場所は移動中の鳥にとって非常に重要な餌場であり、休息のための中間寄着地だそうだ。例えばシベリアで繁殖したシギは1万2千㎞を移動し、この干潟に到着し、再びエネルギーを蓄えてオーストラリアなど約1万㎞を移動するという。

最近、世界的な気候変動の対策として、炭素排出量を減らす取り組みとともに、多様な生命の生息地である自然を保全し、自然本来の回復力を育てることが重要になっている。

ソウル大学の研究チームが韓国干潟の炭素吸収役割とその機能を世界で初めて究明し、その結果を国際著名学術誌「総合環境科学会誌」に発表した。

研究チームは2017年から4年間、韓国の沿岸約20カ所の干潟から採取した堆積物を研究。その結果、採取した堆積物に含まれる二酸化炭素量が多いことを科学的に明らかにした。これは炭素吸収源として干潟の価値が高いことを示している。

干潟は「自然の腎臓」とも呼ばれ陸地から流れ出る汚染物質を浄化する能力を持っているという。また数多くの生命のねぐらであり、人間にとっても憩いの場になっている。

しかし、干潟は気をつけないと消滅する危険もある。仁川国際空港がある永宗島と金堤市は以前は世界的に有名な干潟だったが、開発によって相当の部分が失われた。特にセマングム干潟は消滅の危機にある。

私たちが望む快適な生活は、豊かな自然によって支えられているということを改めて実感した。

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