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韓国発見シリーズ83 「最も貴重なもの」

2022年01月01日

韓国の友人が送ってきた話を紹介したいと思います。韓国の小学校での出来事です。

2年生の担任の先生が子どもたちに宿題を出しました。「君たちのお父さんやお母さんが大切にしているものを1つ描いてください」

子どもたちは一生懸命に考えました。次の日の発表時間。最初の子が絵の説明をします。「これはお父さんのラッパです。本物の金を使っている高い楽器です」。別の子が出てきました。「これは私のおじいさんが誰にも触らせない、高価な陶磁器です。おじいさんのおじいさんのおじいさんの時からずっと大切にしていて、値段が付けられないくらい高い陶磁器だそうです」

宝石の指輪、乗用車など、子どもたちは高価で希少価値の高い絵ばかりを書いてきました。ところが、最後にヨンジュンが絵を見せると、子どもたちがゲラゲラ笑い出しました。ブヨブヨにくたびれた枕を1つ描いていたからです。

ヨンジュンは笑い声に負けず発表しました。「これは僕のお母さんが使っていた枕です。お母さんは昨年亡くなり、もうこの枕を使っていません。お父さんは今もこの枕を自分の布団に置いて寝ています。お父さんにとってとても大切な枕です。お父さんはお母さんの枕を抱いて何回も泣いていました。 僕もお母さんに会いたい。ママに…」

ヨンジュンは声がつまってしまいました。隣の席の子はヨンジュンの気持ちを思ってシクシク泣き始めました。その横の子も泣き出しました。途端に教室中が涙の海になりました。お母さんを亡くしたヨンジュン。そしてヨンジュンのお父さんの寂しそうな姿を思い描いたからでしょう。先生はそっとヨンジュンに近づき、震える肩をギュッと抱いて教室中の生徒に言いました。「この枕は、何よりも大切なものだね」。みんなは拍手をしました。

本当に価値があるものは何か。日々の生活で親の行動は子どもの考えに大きな影響を与えるのではないでしょうか。

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