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韓国発見シリーズ80 「韓国女優、75歳でアカデミー賞受賞」

2021年07月01日

今年のアカデミー賞助演女優賞を75歳の韓国人女優ユン・ヨジョンさんが受賞し、大きな話題になっている。連日彼女に関する報道が流れ、華やかな受賞とともに彼女の波乱万丈な人生も静かな感動を与える。

若い時に女優になった彼女は1972年、25歳で結婚し芸能界を引退した。3年後は夫の米国留学のため渡米する。そして夫の勉強を支えるためスーパーで働いた。時給は2ドル75セントだった。韓国人が一人もいない地域で苦労しながら働き、英語を覚えていったが、その時に学んだ英語が今回役立ち「人間万事塞翁が馬」を感じたそうだ。

10年ほど米国で働きながら子育てもしたが、その後、離婚し帰国。韓国で女優復帰した彼女は2人の子どもを育てるため、役の大小を問わず働いた。女優は容姿も重要だが、彼女は「私は美人ではない」と言う。むしろ演技力を磨いて努力した。

その結果、彼女は韓国の芸能界で誰からも尊敬される存在になった。しかし、慢心せず挑戦を続けた。今回のアカデミー賞受賞作である「ミナリ(芹)」の出演もそんな挑戦の結果だという。

「ミナリ」は1980年代にアメリカンドリームを夢見て米国アーカンソー州に移住した韓国系移民者家庭の話だ。この作品で彼女が演じた役では東洋と西洋の文化の衝突を描いたり、孫と心温まる絆を深めたり、危機脱出のきっかけをつくったりする。このような点が米国評壇から注目されたのだろう。

アカデミー賞受賞式のステージに立った彼女はウィットあふれる英語でも人々を驚かせた。時給2ドル75セントで働きながら学んだ英語が輝く瞬間だった。 75歳の彼女の受賞は、高齢化が進む韓国社会に刺激を与えた。

 年齢は人生の集大成ではないか。生きていると挫折や苦しさはつきものだ。でも「私たちの外面は衰えていくとしても、内面は日々新しくされていく」という格言のように、前を向きひたむきに生きていくなら、そこで何かを学び習得すれば…。やがて豊かな人生を送れるだろう。

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