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韓国発見シリーズ67 「1歳の年齢を気にする国(2019.5)」

2019年12月04日

韓国は昔から、年齢による上下関係をはっきりさせる。しかし最近の韓国の新聞報道によると、大人より若者の方がその傾向が強いそうだ。

韓国では初対面の人にも「失礼ですが」と言って年齢を聞く。中高年は初対面の人の年齢を聞かないまま別れるとどこか落ち着かない。お互いが同じ年齢ならため口で話す。2歳ぐらい年上ならお兄さん、年下なら弟、妹のように一気に親しくなる。世話好きの人なら他人にも「こちらが兄、あちらが弟」とあえて交通整理をしようとする。

しかし、最近の若者は親の世代より年齢を細かくチェックしているそうだ。大学生たちは入学年度よりも年齢を優先させる。同じ入学年度の同級生でも、一浪した人には丁寧にお姉さん、お兄さんの呼称を付ける。反対に学年が上でも年齢が同じなら友達のように接する。新入社員も同様で、入社同期の間でも年齢によって序列が付けられる。

このような考え方は儒教の長幼有序の文化、つまり大人と子ども、年上と年下の間に秩序を維持してこそ健全な社会を作れるという教えからかもしれない。また近代的な学制の導入により、先輩や後輩、同級生という立場ができたためという説もある。

しかし、縦社会重視の人間関係よりも対等な人間関係の方が、進歩的で発展志向の社会を築けるという。一人一人の個性や多様性、創意性を確保するには、できるだけ水平的な人間関係を構築したほうがよいようだ。

日本史では、徳川家康が「友」と呼び最も信頼した本多正信は家康の5歳年上だったという話を聞いた。韓国の歴史でも、三国統一の偉業を成し遂げた新羅の金庾信将軍と武烈王の金春秋は9歳の年の差があったが親友だった。世界史で有名なのは、古代イスラエルの王ダビデとヨナタンの友情だ。互いに命がけの友情だったが約30歳の年の差があった。

年齢により上下を尊重する態度も重要だが、歴史が私たちに教える教訓は、真の友情とは、物理的な年齢を超えた、開放的な心構えと密接な関連があるように思える。

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