韓国の元有名金融機関研究所長が書いた「百歳時代…引退のためのノウハウ」という記事が興味深い。記事によると、老後の暮らしに大切なのは年金や体力よりも「社会との関係」なのだそうだ。
東京大学の老化研究所が65歳以上の男女5万人を対象に調査を行っている。(A)運動も社会活動もしない人、(B)一人で運動をする人、(C)運動はあまりしないが社会活動をする人、の3つのグループに分けて健康調査を行った結果、健康状態が良好だったのは(C)(B)(A)の順であった。(C)は運動量自体は少ないが、社会活動への参加がある程度の運動につながっているようだ。
元所長は、良い人間関係を維持するために4つの方法を提案する。
まず、互いに適度な距離を置くこと。これは人間関係の風通しを良くするためであり「家の風通しを良くするためには、2つのドアの距離がある程度離れていなければならない」という言葉で例える本もある。
二つ目に、社会と何かしらの接点を保つこと。世の中との接触が無くなると昔話を繰り返したり、何度も同じ話を繰り返すようになるそうだ。気付かないうちに周りを困らせてしまうことになるかもしれない。
三つ目に、社会奉仕活動に参加すること。ボランティア活動は、自分が誰かにとっての役立つ存在になることができる。老後を一人で楽しむのも良いが、社会に貢献すると人生にやりがいが生まれる。「受け取るよりも与えることが幸せ」という格言もあるほどだ。
四つ目に、相談ごとや予定を前もって周囲に連絡すること。現役世代の交友関係は、同級生や会社での同僚だっただろう。しかし老後の暮らしにおいては地域の隣人との関係を広げる必要がある。夫や妻が作ったネットワークを分かち合うことも近道になるだろう。
人生は人と人との関わりで成り立っている。他人からの助けなしに一人の力で暮らし続けることはとても困難である。同じく、老後の暮らしにも他人との関わりが必要だ。良い人間関係は、老後の人生をより輝かせてくれる。
外見は衰えてゆこうとも、わたしたちの内面は日々新たに、元気になっていくだろう。