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韓国発見シリーズ57 「今、韓国では方言の矯正塾が繁盛している」

2017年09月01日

今、韓国では方言の矯正塾が繁盛している

最近韓国では、方言を矯正するために塾に行く人が増えている。この講座を受ける人は就職活動生からサラリーマンまでさまざまで、朝鮮族や北朝鮮なまりを使う脱北者も例外ではない。なまりを話せば不利益を被る恐れがあるためだ。


一例として、昨年初めに大学を卒業したある女性は、同年4月流通企業を受験したが、面接官から「営業職に就くためには方言を直すべきだ」と指摘された。 彼女は「私は相当な衝撃だった。すぐに約4万円を支払い方言講座を受講した」と話した。標準語のイントネーションで「ご飯食べた?」を発音するだけでもまる1週間かかった。2カ月間の死闘の末になまりを直し、昨年下半期入社できた」と言う。


事の端は、韓国語の標準語定義が「教養ある人々が話す現代のソウル言葉」というのに発している。これでは地方の言葉は全て方言になり、ソウルだけが教養と文明が発達した都市という暗黙の雰囲気を醸し出す。そのため誰かに「あら! 方言が随分残っていますね」と言われることは「あなたは方言を話す田舎者だ」という意味にとれる。一例として、イソップ寓話「都市ネズミと田舎のねずみ」は、韓国語のタイトルでは「ソウルねずみと田舎のねずみ」と訳されている。2006年には、ある市民団体が現在の標準語定義を廃止してほしいとして訴訟を起こしたこともある。ユネスコでも標準語とは文化の多様性が総体的に反映された言葉と制定することを勧めている。


この方言矯正という社会現象についてソウル大学のキム・ジュウォン教授は「矯正という言葉は間違ったことを正すという意味だが、固有の体系や独自性を持つ方言は矯正の対象ではない…が、韓国で方言の矯正塾が人気なのは就職難などと絡み合った生存のための闘争と見なければならない」と話した。

歴史的に見ると、韓国の地方語は全てその当時の新羅、百済、高句麗の標準語だったことを考えると、今のこの方言も将来どう変わるか分からない。


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