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人権・同和教育シリーズ203

2022年08月01日

菊池市人権未来都市宣言にかける思い

菊池市人権未来都市宣言

人は生まれながらにして自由であり、平等に生きる権利を有していると、日本国憲法及び世界人権宣言でも保障されている。しかし、いまだに部落差別をはじめ、女性、子ども、高齢者、障がい者、外国人、性的マイノリティ等に対する偏見や差別、人権侵害などさまざまな問題が後を絶たない。

私たちは、この人類共通の課題を克服していくため、あらためて強い決意をもって、この問題に取り組まなければならない。そして、子どもたちがこの地で未来へはばたき、一人ひとりがその人らしく生き、多様性を認め合うことで、誰もがこの地で幸せを享受することができる菊池市にしたい。

私たち菊池市民は、未来永劫にわたり全ての人の人権が大切にされる差別のない明るいまちづくりをめざしていくことを誓い、ここに菊池市人権未来都市を宣言する。




菊池市は、本年7月に「人権未来都市」を宣言しました。

なぜ、宣言が必要だったのでしょうか。


菊池市は、これまで先進的に人権施策に取り組んできました。しかし、昨年の4月、本市において菊池郡市内企業による部落差別発言が発生しました。また、本年2月、公道において、差別落書きが見つかり、私たちの身近な所に部落差別の問題が未だに存在していることを改めて知らされました。このことを契機に、これまでの取り組みの見直しとともに人権宣言のことも協議されました。

宣言を掲げることで、さまざまな場面で、対外的にも人権施策が打ち出しやすくなります。また、行政だけではなく、市民一人ひとりの力で、人権を大切にしたまちづくりを推進するきっかけとなり、これまで以上に自他の存在意識を高めあう言動が広がると考えます。

宣言文は、人権問題に対する菊池市としての思いを内外に示すもので、法的な拘束力はありません。しかし、宣言には、ここで暮らす人たちの思いや生き様が込められ、私たちを導き、応援します。

この宣言文の冒頭においては、法や条例に基づく根拠を述べ、次に宣言に踏み切った背景や状況を。最後に、どんなまちをつくりたいかを謳っています。


これまで菊池市は、基本的人権が不当に侵されることなく、市民一人ひとりをかけがえのない存在として尊重する取り組みを進めてきました。しかし、近年、宣言文にあるさまざまな人権課題への対応も迫られています。そこで、各課の横断的な連携を強化するとともに相談機能も充実させます。当然、地域社会の力もお借りすることで、点と面での対応が可能となります。

何も新しい取り組みはありません。大切なことは、研修会や懇談会に参加して、繰り返し学んでください。そして、他の人に寄り添い、一緒によりよいまちづくりに関わっていきましょう。そうすることで、未来に生きる子どもたちが安心して暮らせるまちの姿が見えてきます。


これまで推進してきました「市民一人ひとりの人権が大切にされる差別のない明るいまちづくり」の延長線上に、この宣言はあります。この宣言をより確かなものにするのは皆様の声と行動です。


(文責:地域人権教育指導員 宮川 伊十)

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