第16回菊池市人権フェスティバル特選作品
【作文の部】
「私は一人じゃない」
隈府小学校
六年 松村 なつみ
「みんな、真剣に聞いてくれるかな・・・」
「言った後に、何かされないかな・・・」
私の心臓がドクン、ドクンしました。私は、みんなに、あだ名で呼ぶことをやめてほしいことを伝えたいと思っていました。本当は、あだ名をいわれた時に、その場で
「その言い方は、いやだから言わないで」
ということが、一番いいことは分かっています。でも、その場になると、言い返すことはできませんでした。多分、その時の雰囲気に合わせて、なんとなくごまかしていたと思います。
学校で人権学習をした時、クラスみんなで自分のクラスのことや自分自身のことをふり返りました。私は、今のままだまっていても、友だちに自分の気持ちが伝わらないと思いました。だから、私は、自分の番がきたら、勇気を出して伝えてみようと思いました。
私の番がきました。気づいたら涙が出ていました。友達は、みんなだまって私が言うまで待っていてくれました。私は、言葉につまりながらも自分がいやだと思っていたことを伝えました。言い終わった後、気持ちがすっと楽になりました。心にズシンと重なっていたものが、全部取れていました。友達は、真剣に私を見てくれていました。
授業が終わった後、友達が
「ごめんね。いやなこと言って」
と、謝ってくれました。この言葉で、さらに私の心が軽くなりました。私は、思っている事が言えるということは、なんて気持ちがいいことなんだろうと思いました。勇気を出して、本当の気持ちを伝えてよかったと思いました。
一人の女の子が私のところに近づいてきました。そして、
「もし、いやなことをだれかが言ってきたら私がなっちゃんを守るね」
と言ってくれました。私は、心からありがとうと思いました。そして、
「私は一人じゃない。こんなに優しい友達が近くにいるんだ。だから、もっと友達を頼ろう。困ったことがあったら、がまんせずに相談しよう」
と思いました。私の言葉を真剣に聞いてくれた友達、勇気を出して自分から謝ってくれた友達、そして、私は一人じゃないんだと教えてくれた友達。みんなに感謝しています。私に勇気と自信をくれた友達のために、これから私にできることをやっていきたいと思いました。
「私は一人じゃない」
こう思うことで、これからもっと、私は強く、優しくなれる気がします。
【詩の部】
「悪口は言葉のきょうき」
菊之池小学校
五年 潤井 花(うるい はな)
言ったら
だれかをきずつける
それを知った
だれかがきずつく
言っちゃだめ
絶対に言っちゃだめ