5月の連休に、観光地の視察を兼ねて久々の小旅行に出かけました。有名な観光地はどこも人でいっぱいですが、それぞれ違った良さがある一方で、いくつかの共通点を感じました。

案内板やトイレなどのインフラが整備されているのは当然ですが、観光地全体がきれいに掃除されていて居心地の良さを感じます。そして最も心に残ったのは地元の人の雰囲気です。

ある小さな古い商店街を歩いたときのこと。隈府に似たありふれた街並みですが、どの家の前にも竹筒に花が生けてあります。竹筒の組み方・花の飾り方は各店が個性を競い合う形です。それが何十軒も数百メートルにわたり連なる様はとても美しく、まるで生け花展を見るようです。「見る人を楽しませたい」そんなもてなしの心を感じます。

夕暮れ時になり食事所を探しあぐねていると、私たちが心細い観光客に見えたのか、地元の人が寄ってきていろいろ親切に教えてくれます。みんなで相談が始まり、ある人は電話帳を持ち出して店に電話までしてくれました。小さな騒ぎが起きたようで恐縮至極、食事の前に胸がいっぱいになりました。私がこの町を忘れることは決してないでしょう。あらためて旅の原点を感じた小旅行でした。