20世紀は軍事力で覇権を競うハードパワーの時代でしたが、近年は文化によるソフトパワー外交の重要性が一段と高まっています。ハードパワーは恐怖で支配するため、反感や嫌悪につながり安定しません。そのため常に軍備を続ける必要があり、コストが掛かります。一方、文化ファンはその国の全てのことが好きになり、そのための消費を惜しみません。かつそれが永く持続します。ソフトパワーを戦略的に活用しているのが芸術の国フランスであり、近年では韓流ブームです。

実は、ソフトパワーは地方の活性化にとっても、非常に重要なポイントです。お客さまに一つの商品ではなく、まず菊池を好きになってもらうことで固定客につながり、観光から農産物のファンへと広がっていきます。

昨秋の映画祭で菊池を訪れ感激された多数のお客さまから、驚くほど高額のふるさと納税が相次ぎました。映画祭が良かったから、菊池が気に入ったから、との理由です。

決め手は美しい癒やしの風景・自然の恵み・歴史文化といった菊池の素材に加え、おもてなしの心です。私たちの生活そのものとそこに暮らす私たち自身が最大の商品ともいえるでしょう。