先日の厚労省発表によれば、全国の100歳以上の高齢者は5万8820人。そのうち5万人以上は女性です。調査を始めた1963年には全国の100歳以上の人はわずか153人でしたが、最近は年間3千～4千人と急増中です。

近年「少子高齢化」の問題がよく議論されますが、高齢化自体は医学の進歩などで寿命が延びたことであり喜ばしいことです。そのような人生の大先輩には、深い人生哲学をお持ちの方も多くおられます。

昨年、103歳の市民の方から「感謝の詩」という詩をいただきました。「菊池の自然の恵みにより生を得ていることを忘れず、努力してよい知恵を活かし、恨みや我欲に走らず、全てに対する感謝と慈悲の心で明るい社会にしましょう」という主旨の胸に染みわたる詩です。七五調の美しいリズムに乗って完璧に構成された内容で、瑞々しい感性はとても103歳の人の作とは思えません。(市役所入口ホールに掲示中です)

高齢者の方々の短い発言にハッとさせられ敬服することは、よく経験することです。深い人生経験と洞察に裏打ちされた言葉だからでしょう。積み重ねた年輪の美しさが私たちを感動させるのは、樹木だけではありません。