令和4年10月 vol.102 踊りの輪と和
8月の最後の週末、市民広場が突如盆踊り会場に生まれ変わりました。やぐらと華やかな提灯、明るい音楽と太鼓の響き、それを取り囲む色とりどりの踊りの輪、周囲にはにぎやかな屋台群。そして広場全体にあふれる笑顔。文字通り老若男女が一体となって楽しんでいる幸福感が伝わり、見ている人まで幸せな気持ちになります。何十年ぶりにみる光景でしょうか。
振り返ればコロナ禍の下での生きづらさや先の見えない閉塞感に、ウクライナ問題などが加わり、心の平安が見出しにくい時代が続いています。ひとときとはいえ、この夜だけは懐かしい平穏な雰囲気に心から癒やされました。ある人の「この広場は、今宵世界中で一番平和な場所だ」という言葉が胸に染みました。
この盆踊りは移住者の皆さんを中心とした市民グループの発案とご尽力で実現したもので、市内外からも多くの寄付と支援者が集まったそうです。多くの人の心を動かした菊池市民の底力に、武者震いするほど頼もしさを感じました。
市民力という点では、日常レベルでも素晴らしい動きが生まれています。ある市民の提案により、今年の春、くまもと花博が閉幕する際に不要となった花苗を本市がもらい受け、その市民の人が市の花壇に植え替えて管理してくださっています。それに共鳴した花苗屋さんが自店の商品の一部を分けてくださるなど共感の輪が広がり、さまざまな協力によりこの猛暑を無事乗り切り、いまだに花壇を美しく彩っています。盆踊りも花まちづくりも、輪と和が大事。猛暑にはうんざりですが、市民のこんな熱い思いは爽やかで大歓迎です。
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