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市長メッセージ

Message from the Mayor

市長からのメッセージvol.96 失敗が与える感動

2022年04月01日

先月閉幕した北京冬季オリンピック2022。コロナ禍という状況下に加え、外交ボイコットやドーピング問題といった、スポーツの祭典とは縁遠い話題もありましたが、日本選手が過去最高のメダル数を獲得するなど、多くの感動をもたらしました。

以前このコラムで書いたように、私たちは無意識にトップアスリートの心情に自分たちの人生を重ね合わせています。成功の喜びと挫折の苦しみ。努力が常に成功を生むとは限らないこと。運不運に左右されること。しかし、結局は苦闘と努力の先にしか成功はないこと。まさに人生そのものです。

だからこそ、勝者の喜びの言葉以上に、失意の場面での絞り出すような苦痛の言葉が胸を揺さぶることがあります。さらなる高みにあえて挑戦した羽生結弦選手の「報われない努力というものもあるんだ」という言葉は、勝敗を超えた求道者を思わせる感動を呼び起こしました。

他にも、スキージャンプ混合団体で失格という悲痛を克服して2回目を飛翔した高梨沙羅選手の健気な姿。スノボ・ビッグエア競技で顔面を強打しながらも再トライした、旭志に縁のある鬼塚雅選手の挑戦心。ゴール直前で転倒し勝利を逃した高木菜那選手とチームの励まし合い。また、女子カーリングチームが敗北から一転して決勝進出が決まった瞬間の泣き笑いなど、多くの場面が記憶に刻まれました。

競技はそれぞれ違いながらも、共通するのは「全身全霊」「一所懸命」。体を動かすのがスポーツですが、最終的な違いを生み出すのは詰まるところ心の部分が大きいのかもしれません。これも少し人生と似ていると言えないでしょうか。

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