昨年10月の「エミュー逃走劇」を全国の新聞・テレビが取り上げて、本市の名前が突然有名になりました。エミューは豪州原産のダチョウに似た飛べない鳥です。成鳥になると体長が170㌢にもなりますが、人に慣れやすい大人しい性格です。

このエミューの飼育場所が旧迫水小学校の跡地。福岡県企業2社が共同出資し、食肉や化粧品などの商品開発や観光事業を目的に飼育施設を作りました。一昨年12月から飼育を始めています。

関係機関や地元の皆さんの全面的な協力により、無事故で事態を収拾することができました。会社からはお詫びとともに「地域の人たちから捜索の応援・激励や差し入れまでいただき、人々の優しさや温かさに感激した」との言葉がありました。そのうえで、施設ではセンサーや監視カメラの台数を増やすなど再発防止策に取り組んでいます。

一方、逃走劇は思わぬ形で注目されました。テレビ・新聞の連日の報道による捕獲劇がエミューの愛らしい外見と相まって、のどかなニュースとして捉えられました。これによりエミューと本市への関心が高まり、日本テレビ系の動物番組で特集が組まれました。また、会社から初の「九州エミュー座談会」を呼び掛けたところ、予想以上の企業・団体の参加があり、新しいネットワークが広がりました。そして、多数のリクエストを追い風に、この春をめどに観光牧場の開場が計画されています。場所は菊池渓谷と温泉市街地の中間地点。自然・グルメ・アウトドア・歴史文化に加えて、エミュー観光の楽しみも加わります。飛べない鳥のおかげで本市が飛躍できるかもしれません。

▼生後約8ヶ月のエミュー雛