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市長メッセージ

Message from the Mayor

市長からのメッセージvol.91 贈り物としての歴史

2021年10月01日

先日、菊池文化研究所による「菊池一族の歴史文化研究成果発表会」を開催し、県内外から多数の来場がありました。若手研究者に新しい視点で菊池一族の歴史を研究してもらう試みで今年で2年目。今回は3人の発表がありました。どれも斬新で興味深い内容でしたが、中でも菊池高校敷地から出土した小さな磁器の破片から中世の菊池の繁栄ぶりを導き出す研究は、想像力を刺激する素晴らしい内容でした。

隈府地区の碁盤目状の街路は南北朝時代から形成されたことは既に定説と考えられています。菊池高校敷地が一族の館跡かどうかはまだ不明ですが、今回の研究により、出土品には南宋時代の高級磁器が多数含まれていること、大変高価な品々で相当の財力が必要であり、それらが要人の接待のための調度品であることなどが関連付けられました。征西府の置かれた時代には、多くの人々が往来する政治・経済の中心都市として隆盛を極めた菊池の姿が浮かび上がります。

このように歴史文化の切り口は、人の好奇心と関心を大いに引き起こします。郷土の歴史的価値を掘り起すことで、新たな菊池ファン作りや市民の誇りを醸成し、地域活性化につなげることが菊池文化研究所の狙いです。先人のまさに「一所懸命」の積み重ねが、私たちの暮らしや文化を形作っています。受け継いだ歴史文化は先人からの贈りもの。これらを最大限活用し一致団結して地方創生に生かすことは、先人への恩返しであり、次世代への私たちの贈りもの。少しでも良いものを贈りたいものです。

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