市長からのメッセージvol.90 見えない翼/東京パラリンピック2020
先日閉幕したパラリンピックは、オリンピックとは違った感動を与えてくれました。パラリンピックでは障がいのありように応じて競技が細分化され、参加選手も極めて多様です。オリンピックに比べて高年齢の人も多く、選手が身近に感じられるため、より多くの気付きや感動を覚えたのではないでしょうか。
50歳の金メダリストが語った「最年少記録は二度と作れないが、最年長記録はまた作れる」の名セリフには、ハッとさせられました。また、四肢のハンディを跳ね返す懸命な競泳の姿や、バスケットとラグビーの転倒を恐れぬ激しい闘魂には心を揺さぶられ、口にくわえたラケットでの卓球に至っては、人間の無限の可能性に驚くばかりです。
障がいの原因は事故や病気あるいは生来などさまざまですが、すべての選手に共通するのは、逆境でも諦めずに挑戦する前向きな姿勢です。懸命の戦いぶりには、感激のあまり思わず拍手と声援と涙。選手たちに比べたら、なんと自分が努力不足であったことか。応援していたつもりが、自分が叱咤激励されたような気がして勇気が湧いてきました。
開会式で演じられた「片翼の小さな飛行機」の感動的なメッセージは心を離れません。「みんなが見えない翼を持っている。翼の一部は支えてくれる人たちの思いでできている。勇気を出して飛び立てば、思わぬ場所に到達できる」。パラリンピックを見た子どもたちが、いつの日か大きな翼を広げて無限の大空に飛び立つ姿を楽しみにしています。
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