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市長メッセージ

Message from the Mayor

平成30年3月 vol.47 言葉は言霊

2018年02月01日

日常で何気なく使った言葉が図らずも人を傷つけてしまう。誰しもが経験したことではないでしょうか。言葉を発する側と受け取る側で、その言葉の持つ意味が全く違う場合があるからです。とりわけ、私たちが気付かないうちに差別につながる言葉を使ってしまうことがあれば大きな問題です。

「どこの馬の骨」という言葉があります。元々は中国で「役に立たないもの」を指す表現でしたが、日本ではいつしか「素性の分からない人」を指す言葉になりました。過日、私は自分自身を卑下する意味合いで、特段深い考えもなくこの言葉を使ったことがあります。その後、この言葉がかつては部落差別に使われていたことに気付き愕然として、自分の不明を大いに恥じ入りました。

自身に向けた謙遜表現ならば、あるいは大多数が差別と感じなければ構わないではないかとの考え方もあるかもしれません。しかし、過去に実際に差別表現として使われていたこと。そして何よりも、その言葉に差別を連想して心の痛みを感じる人がいるということ。そのことが何よりも重要です。また、無知ゆえに人を傷つけることも許されません。身体的な傷はいつかは消えても、心の傷は容易には癒えることがありません。「言葉は言霊」。その意味合いの深さをあらためて心に刻みこみました。

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