◆コロナウイルスがわずか3カ月のうちに爆発的に蔓延し、世界の感染者230万人、死者16万人超(4/20日時点)の深刻な事態になるとは誰が想像したことでしょう。日本でも全国に緊急事態宣言がなされ、私たちの暮らしが激変しました。

▼さらに、コロナ問題によりこれまで潜んでいた社会のさまざまなリスクが浮き彫りになり、今後の世界のありようも大きく変わっていくでしょう。製造業は中国依存からの脱却の動きを強め、政治経済面では米国のような自国主義の考えが強まるかもしれません。また「マスク外交」という言葉は、国の安全保障はミサイルだけではないことを示唆しています。

◆また市民生活においても、自粛を巡る「個人の自由と集団の規律」、「情報管理とプライバシー」、「感染者や人種に対する偏見・差別」、「救命の優先度」などの重いテーマを突き付けました。

◆「コロナショック」は人々の価値観も変えようとしています。コロナ感染はヒト・モノが密集した都市生活の弱点が露呈したもので、あらためて命・健康・自然といった本当に大事なものに私たちの目を向けさせる結果となったからです。本市も決して油断はできませんが、菊池渓谷に代表される清らかで豊かな自然や130%の食料自給率など、普段は強く意識することのない宝物にあらためて強い誇りと感謝の念が湧き上がります。一日も早くコロナが収束し、世界に平和で安全な日々が戻ることを祈るばかりです。