7月末の令和8年熊本地震は、10年前の記憶を呼び起こす恐怖と驚きの体験でした。犠牲となられた方々のご冥福を心よりお祈りし、被災された全ての皆さまにお見舞い申し上げます。
本市においては大きな人的・物的被害はなく、一部地域で水道水の白濁がありましたが、発災翌日から佐賀県伊万里市と福岡県大野城市、並びに水道事務の関係事業所から給水車と人員の派遣をいただき、発災5日目には通常給水に復すことができました(この他、病院には自衛隊の給水支援)。この2市1社の応援は、万一に備えた防災協定によるもので、感謝すると共に平時の備えや有事の共助の重要性を改めて痛感しました。
一方、本市からも7月31日以降、毎日、多数の応援職員を被災地に派遣しています。また、8月下旬には、被災地への市民ボランティアバスを開始しました。日ごとに被災各地の深刻な状況が判明し、胸が痛みます。
そういう中、「キクロスが避難所に指定され使えない。子どもたちのための冷房の効いた居場所を奪わないで欲しい」というお叱りが舞い込み、当惑すると共に、悲しく感じました。キクロスは9日間の避難所でしたが、余震が続き不安いっぱいの高齢者の方々にとり、避難所は心のよりどころ。有事の際に何が優先かを子どもが学ぶ機会でもあります。一方、被災地は冷房どころか、水もトイレも入浴もできない深刻な状況です。
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」では、主人公が自分だけ助かろうと思った瞬間、掴まった細い蜘蛛の糸が切れて奈落の底へ。共助のネットワークは現代の蜘蛛の糸。太いほど、多いほど安全安心が高まります。
水道局前での給水


