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市長メッセージ

Message from the Mayor

市長からのメッセージvol.136 魂のアーティスト

2025年08月01日

 先日、泗水町の障がい者支援施設「サニーサイド」内の「ギャラリー・ミモザ」を訪問しました。施設を利用されている方々のアート作品が常設展示されています。美術の経験がなく、施設の利用をきっかけに絵画を始めた方ばかり。そのため、既存の美術の枠にとらわれず、作者の内面からほとばしるような表現や造形が生まれ、見る者に不思議な感動を呼び起こします。枝葉をそぎ落としたシンプルな骨太のフォルムや、魂を刻み込んだような精緻な描写、息をのむような新鮮な色使いや独特の世界観など、一見して子どもの作品のようでもあり、最先端のモダンアートのようでもあり、どの作品にも心が揺さぶられます。

 このように、専門的な美術教育を受けていない人々が生み出す美術作品は「アール・ブリュット」と呼ばれています。フランス語で「生の芸術」。伝統や流行・教育などに左右されずに、自身の内側から湧き上がる衝動のままに表現された芸術のことを指しています。

 同施設では16年程前から創作活動を取り入れられ、利用者の方々にとって生きがいになっているとのこと。先日、このうちの2作品が国内外の1419作品から選ばれて、大阪・関西万博のアール・ブリュット展に展示(総数約80作品)されたそうです。また、過去の作品は原則売却せず、企業や個人向けのレンタルサービスを実施。その収益は、作者の収入になる他、画材購入費にも充てられており、安心して絵画制作に集中できる仕組みになっています。万博入選作を含めて、主な作品は同施設内のギャラリー・ミモザに展示されています。「魂の絵画」をぜひご覧ください。

写真1 制作をする牧野慎也(まきのしんや)さん

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