昨年の海外からの訪日客(インバウンド)は約3700万人と、コロナ禍前のピークを500万人も更新しました。目の肥えた日本ファンも増えたため、近年は桜などの自然や伝統文化に人気があり、さらには里山の暮らしを求めて地方への訪日客が増えてきているそうです。この傾向は日本人客も同様とのこと。
本市では、コロナ禍の収束宣言と同時に、こうしたニーズを踏まえて新しい観光地づくりを関係機関や団体と共に進めてきました。一つは「温泉街リブランディング」。温泉街の変革です。1宿泊施設の美装化(個室化や質のグレードアップ)。2泊食分離(宿泊と夕食を分離して提供し、温泉街全体を活性化)。3景観改造。この3点を中心に具体化していきます。
もう一つは「ウォーカブルシティ」。まちなかをゆっくり歩きながら(あるいは自転車)、食や歴史文化、ふれあい体験などを楽しむ滞在型観光です。隈府地区の旧市街は城下町らしい碁盤の目ですが、文化庁の調査官によると、これは日本最古で唯一の南北朝時代のものとのこと。じっくり歩くと何とも言えない風情が漂っています。今は人通りが寂しい状態ですが、まず能場周辺を人が集まる交流拠点として整備します。また、数年のうちに旧市街に酒蔵が進出する見込みであり、その近辺にグルメ店などを誘致していきます。
昼は郊外の自然や農、里山文化を楽しみ、夕は温泉で体を休め、夜は温泉街とまちなかにグルメの明かりが連なり、通りには若い人の笑い声。本市の暮らしの素材だけで、そんな「いのちの洗濯場」を提供できるのです。私たちが住むのは、まさに宝の山なのです。
(御所通りの写真)