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韓国発見シリーズ73 「韓国の新型コロナウイルス感染症事情」

2020年05月01日

国際ニュースを発信するロイター通信に、韓国の新型コロナウイルス関連で「あなたの喉ではなく手を濡らしなさい」という興味深い記事があった。内容は、世界で最もたくさん焼酎を生産販売する韓国の酒造会社が消毒剤製造用のアルコールが不足している事を聞き、焼酎の原料を防疫消毒用に寄付したというものだ。

コロナウイルス感染者が増える韓国では日本と同様、マスクと共にアルコール消毒剤が飛ぶように売れている。問題は消毒に必要な成分のエタノールの需要は急増しているのに、供給は追いついていないということだ。

そのためアルコール度数17~20度前後の蒸留酒の焼酎を製造するのに使われる酒精を希釈した酒造原料を約80トン寄付することにしたという。同社の代表は「事態が安定するまですべての損失を甘受し、これからも酒造原料を供給する計画だ」と語った。

韓国人は1週間に平均約12杯の焼酎を飲むという。この焼酎のエタノール成分は石油化学供給の原料にもなっている。酒として作られても殺菌として利用されても化学構造は同じである。

しかし、酒類製造業者が作ったエタノールには酒類税が課せられるという大きな違いがある。 当初とは違う用途で使用される事を国内法では厳しく禁止している。

そこで焼酎メーカー各社は今回、税務当局に寄付のための特別許可を要請した。これに対し、過去の前例が全くないにもかかわらず、不法流通の可能性がなく、国家的危機解消に寄与するとの判断から、直ちに許可決定が下されたという。

このような美談をロイター通信が紹介した事に加え、現在感染者が集中している大邱や慶尚北道地域には大企業をはじめさまざまな団体や市民がボランティアとして援助や、寄付などの方法でコロナウイルス撲滅に力を注いでいる。

現在、コロナウイルスが全世界に拡散しているこの時、彼らが微力ながらお互いを助けようと示す気遣いや愛、優しさ、温かさは私たちの心に染み込み深い感動を覚える。

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