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韓国発見シリーズ72 「アンタクト(非対面)消費」ブーム

2020年03月01日

最近、韓国の新聞報道によると、お店や売り場で、スタッフや他の客に会わなくても利用できる「アンタクトサービス」が人気だという。アンタクトとは、コンタクトに否定の接頭辞「un」を付けた新造語で、他人との接触を遮断したり、最少化することを指している。

ある化粧品ブランドは、有名なビューティーユーチューバーと一緒に新商品の口紅のレビュー動画を作成。これにAR技術を取り入れた。自撮り形式でスマホ画面を見ながら新商品の口紅をAR上で塗って、自分に似合うか仮想体験できる。該当する口紅をクリックすれば即購入できるシステムだ。

ファストフード店や飲食店では券売機で注文するのが普通になった。また、カフェに到着する前にアプリでコーヒーを事前に注文・決済しておき、お店に到着した時には受け取るだけというサービスもある。クリーニングもアプリで予約し、玄関のドアの前に出しておけば1~2日後にはまた玄関に配達してもらえる。その他にもタクシーの呼び出しや、無人のコンビニ、家で試着し気に入らなければ無料で返品できる「ホームフィッティングサービス」など、数え出したら切りが無い。

アンタクトサービスを好む理由について、ある会社の2017年アンケート調査で、回答者の半分近くが「人間関係に疲れを感じる」とし、自分の時間を大切にしたいと思う人が多いことが分かった。あるトレンド分析家は「IT技術の発達で、必要な情報はインターネットで簡単に得られるため、ストレスになる他人との接触を選択する必要がない」とし、「今後、この傾向は加速するだろう」と予想した。

しかし、利便性を追求するあまり人間関係が乾いていくような気がする。社会も文明もこれまでの人間の営みから作られたものだ。科学は人の生活を豊かにするために発展し今がある。その結果、せっかく豊かになった時間なのに、店員さんの笑顔にも、人の手の温もりにも関心を持たず、人と人を繋ぐ物がモバイル端末だけというのはものさびしい気がする。

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