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韓国発見シリーズ63 「韓国の情、日本の和、中国の関係」

2019年12月04日

駐日大使館1等書記官として勤務していたある外交官の、引退後に書いた日・中・韓の民族性に関する記事が興味深い。筆者は3国の情緒的特質を最も象徴的に表す漢字として、中国は「関係」、韓国は「情」、日本は「和」を挙げた。それぞれの長短所に関して次のように説明する。

中国の「関係」は、「互いに関心を持ち、気遣い合うこと」の意味が強い。中国で関係が形成されるということは、互いに関心を向ける、つまり思いやる間柄になるということだ。これは逆に言えば、関係がなければお互いに関心を持たないということだ。中国での無関心は「興味がない」を超えて「私には君を思いやる心がない」を意味する。

韓国の「情」(1つの事に深く気持ちを寄り添わせて愛情を込める心)は、分かち合いの心である。「区分して切る」より「分け合う」に価値を置く。したがって韓国では「分け合ってつなぐ」ことが人として道理があると評価される。しかし、逆に言えば、温情主義になり、公私の境界線は時にぼやける。

日本の「和」は、決まった規則に従順で、忍耐することを第一の徳とする。「和」は丸く、亀裂がないことを意味する。そのため、和からはみ出さないことを社会の根幹にしている。これは逆に言えば、不和を引き起こす者は、是非に関係なく、裏切り者と非難され排斥されることを意味する。

筆者は3国の理想的な姿として、「相互交流と理解が進展し、お互いに関係を結ぶが、関係がなくても関心を持ち、情を分け合うが、結ぶことも、切ることも明らかで、規則に従って円満に過ごすものの、より根本的な価値を追求する未来を夢見る」と語った。

アジア諸国の中でも近くにある3国だが、国民性や考え方で見ると大きな違いがある。違いに注意を向けると距離を感じるが、願いは皆同じで平和で穏やかな生活ではないだろうか。

関係も情も和もそれぞれ温かい意味がある漢字だと思う。相互交流や情報を共有し、和やかな良い関係が築かれることを願う。

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