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韓国発見シリーズ54 「三年峠」

2017年03月01日

三年峠

大部分の韓国人がよく知る「三年峠」という童話がある。内容は次のようだ。


昔ある村に、この峠で転んだ人は3年しか生きられないという言い伝えの三年峠があった。ある日おじいさんが三年峠を越えていた。おじいさんは、転ばないように用心して歩いていたが一匹のウサギがぴょんと走り出てきた。びっくりしたおじいさんはころんと転んでしまった。


「ああ私はもう死ぬ!」おじいさんは地面を叩いて泣いた。家に帰って「ばあさん、わしはもう3年しか生きられない。三年峠で転んでしまったよ」おじいさんは心配のあまりたちまち病気になった。


このうわさを聞いた隣家の少年がおじいさんを訪ねて来た。「おじいさん、そんなに心配しないで早く起きて三年峠に行きましょう」。「あそこに? なぜじゃ?」「あそこに行ってまた転んでください」。「また転べだと?わしに死ねと言うのか」。おじいさんは怒りだした。「おじいさん、一度転んだら3年は生きられるなら二度転ぶと6年、三度転ぶと9年は生きられるのではないですか?」。おじいさんは少年の言葉に納得した。「そうじゃのう! 今すぐ行って転ばにゃならん」おじいさんは峠のてっぺんからごろごろと転んだ。


時が流れ3年が過ぎたある日、おじいさんが三年峠を越える途中で石につまずいてまた転んだ。「ほほ、もう50回転んだから、これから150年は生きられるわい!」おじいさんは明るく笑った。

この童話の主旨は、死の恐怖を逆発想で乗り越えるというものである。これは現代の私たちにも教訓になる。人間は往々にして習慣や惰性に落ち着き、変化が必要なときでもそれを積極的に受け入れるのではなく習慣や既存の方法という楽な方を選ぶ傾向がある。


三年峠は変化や危機をむしろ逆発想で受け入れる積極的な考えを持たせる。4月になると学校は新学期を、世の中は新年度を迎える。そんな変化のとき、私たちはこれまでの方法に縛られるのではなく新しい発想で前を向いて歩いて行きたいと思う。


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