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韓国発見シリーズ48 「韓国の伝統村「河回村」」

2016年04月26日

韓国の伝統村「河回村」

 釜山から車で3時間弱の場所に位置する安東市豊川にある河回村は、朝鮮時代当時の面影を残す韓国髄一の重要な村である。河回村の特徴は600年前から豊山の柳氏一族が代々暮してきた村だが、柳一族といえば韓国スターのリュ・シウォン氏を思い出す人も多いだろう。

 まさにここが彼の故郷である。彼の先祖は朝鮮時代の大儒学者柳成龍で、文禄・慶長の役の時には領議政(時の総理大臣)だった。今でも村民の60パーセント以上が豊山の柳一族である。

 河回村は両班(韓国式貴族階級)の家屋がきれいに保存され、一部は今も居住していて歴史的な価値が高い。こうしたことが評価され2010年7月31日ブラジルで開かれたユネスコ世界遺産委員会(WHC)会議で世界文化遺産に登録された。

 河回村にはさまざまな見どころがある。一つは1797年に建て始められた「北村宅」で、村の北側に位置し99間家とも呼ばれる。(1間は柱と柱の距離)大広間や奥、別堂、祠堂、大門間棟など広く取りそろえた典型的な士大夫(貴族)家屋で河回村最大の家屋である。この北村宅には07年にノ・ムヒョン前大統領が、翌年には俳優のベ・ヨンジュン氏が泊まった。

 その他にも韓国最古といわれている木造建築「極楽殿」があり、99年にエリザベス女王が自身の誕生日に訪問したことで一躍脚光を浴びた。

 また、河回村は高倉健さん主演の映画「ほたる」の撮影に使われたロケ地でもある。高倉さんは特攻隊の生き残りとして死んだ同僚の遺品を韓国の遺族に届けるという話しの中で、その韓国の遺族と対面する場所にリュ・シウォン氏の実家の外門周辺が使われた。監督は記者会見でこの河回村を選んだ理由を「韓国の田舎の雰囲気のある場所を探していたところ、河回村が一番そのイメージにふさわしかった」と語った。

 温故知新と言う言葉のように、エリザベス女王も感嘆した安東河回村は古い韓国の伝統文化を体験できる場所だろう。

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