緊急情報はありません

韓国発見シリーズ49 「世界で唯一「数え歳」を使う国、韓国」

2016年04月28日

世界で唯一「数え歳」を使う国、韓国

 韓国は現在、世界で唯一「数え歳」を日常的に使う国である。中国に由来し、日本でも使われていたこの方法とは、生まれたと同時に1歳になり、以降元日を迎えるごとに1歳ずつ加える。例えば12月31日に生まれた赤ちゃんは、生まれた瞬間に1歳で、翌日の元日には2歳となる。しかし1日違いの1月1日に生まれた場合は、2歳になるのは翌年の1月1日である。1日違いで生まれたのに年齢ではほぼ1年の差が生じる。ちなみに韓国でも誕生日を祝う習慣はあるが、誕生日に年齢の加算は無い。あくまで正月である。

 「数え歳」にはいくつかの説がある。漢字文化圏では0の概念がなかったため、始まりを1からにしたという説や、人間尊重思想に基づき、お腹の中の胎児も大切な命なので、胎児の時期から数えだしたという説などあるが明確ではない。

 現在の問題は、「数え歳」による社会的混乱が少なくないという点である。韓国の民法は、1962年から法的に「満年齢」を基準として使用するように明示している。公文書や条文、メディアの記事でも「満年齢」を使うが、日常生活では慣習的に韓国式数え歳を使うので混乱が生じることがある。特定の人物の正確な年齢が曖昧だったり、海外では、各種公文書に年齢を間違って記載することも多い。それでも韓国で「満年齢」が定着しない理由として、年齢で上下や順番を決めたがる文化がある。少しでも年齢を高くし相手よりも優位に立とうとする心理である。このような考え方は生産性を落とし、人間関係にも悪影響を与える。

 ジョ・ヒョンヨン慶熙大教授は「昔は友人間で年齢はあまり重要ではなかったが、今は学年の問題などがあり複雑になっている」という。誕生日は近いのに先輩後輩の関係になるということだ。「人に会ったり、友人をつくったりするのに年齢が障害になってはならない」と指摘した。

 お互いに対する敬意や気遣いというものは、年齢で決まるものでも要求し強制するものでも無いと思う。

トップへ戻る