韓国の短歌「詩調」
日本の短歌に似たもので、韓国には伝統詩「時調」がある。これは「時節歌調」の略で、その時代のはやり歌や歌詞という意味だ。
3章6句約45字の形式で、音数律は三四調または四四調を基本とし、初章、中章、終章で構成される。各章の文字数は多少の字余りや字足らずは大目に見られるが、終章の初句は必ず3文字にしなければならない。
時調が始まった高麗中期から朝鮮初期の一般的な主題は、儒教と自然への礼賛である。儒教を主題とした場合、忠誠な臣下は2人の王に仕えないという時調が多かった。自然への礼賛の場合、自然の美しさと、そこから学べる人間が持つべき徳を特徴とする。代表的な作品として、相手に対して変わらない忠節や信頼を表現する句がある。
花はなぜ咲き儚く散り
草はなぜたやすく枯れるのか
おそらく変らないのは岩だけかと思う
時調は1895年を境に古時調と現代時調に分けられる。現代時調には題目が登場し、行を区分する。代表的な作品として次の句がある。
「開化」
花が咲く 一輪一輪
空が 澄みわたる
最後に残った 花びらが
震える 刹那
風もひかりも かたずをのむ
私もそっと かたずを飲む
詩調を学ぶ最善の方法は、短歌のように状況を思い描きながら自由に書くこと。時間がたてば、家族や友人と楽しめる時調を書くことができるだろう。自分の心や思いを時調に表現してみてはどうだろう。
料理を楽しむために料理人になる必要がないように、時調を書くのに文章の天才になる必要はない。ただ心の中にある思いを韻律に合わせて書いてみよう。 詩調をもらった人も、相手からの素直な気持ちや思いを感じてみよう。間違いなく心が温まるだろう。