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人権・同和教育シリーズ225

2024年05月01日

性別に色は関係ない 

 4コマまんが:コッコロの達人(熊本県人権情報誌「コッコロ通信vol.55」内掲載) 「ぼくランドセルはピンクがいいな」と言う息子。それを聞いた母親が「えっ!? 男の子は黒や青じゃない?」。これまで、性別で色を決めつけていたことはありませんか。

 菊池市が2018(平成30)年に実施した人権に関する意識調査でも「性的少数者に対してどのような問題が起きていると思いますか?」という問いに対して、4割以上の市民が次のように回答しています。

  • 差別的な言動をされること
  • 職場、学校等で嫌がらせやいじめを受けること
  • 就職・職場で不利な扱いを受けること

 菊池市人権教育・啓発基本計画では、「性とは、女性と男性の2つの性で、それ以外の性のあり方に対する理解は十分とは言えない現実がある」としています。そのうえで「今後、人権教育・啓発を通して性的少数者の人権を守るとともに、誰もが自分らしい人生を送ることができる社会の実現をめざす」必要性が示されています。

 菊池市では、これらの課題の克服や理解を深めるための様々な取組を推進しています。

 一つは、中学校や高校での制服の選択制導入です。泗水中学校と菊池南中学校では、制服の選択制が導入されています。この取組については、数年前に生徒たちから「制服に違和感を感じる」という問題提起がされ、生徒を含めた制服検討委員会が組織され、制服の改定に至っています。また、菊池女子高校でも、自らの個性で着こなしが選べる制服がすでに導入されていて、大変好評です。今後このような取組はますます加速していくことが予想されます。まさに、左の4コマまんがのように、色に性別はない。いろいろな場面で、たくさんの中から選べることが当たり前であることが望まれます。

 これまで紹介した事例からわかることは、思い込みや決めつけの裏には根強い固定観念(いつも頭から離れないで、その人の思考を拘束するような考え方という意味。「小学館デジタル大辞泉」より)が残っているという現実です。そのことで苦しんでいる人がいることを忘れてはいけません。そして、このような固定観念から脱却して、時代や状況の変化に応じた判断をするためには新しいアイデアを受け入れる柔軟性が必要です。

 これからの時代を豊かに生きるために、自分がどう変われるのか? 問い直してみませんか。


(文責:地域人権教育指導員 宮川 淳一)


4コマまんが出典:コッコロの達人/作:桜田幸子

熊本県人権情報誌「コッコロ通信Vol.55号」から転載

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