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人権・同和教育シリーズ220

2023年12月01日

正しく学ぶ部落差別の問題

正しいことを正しく学ぶ

 新しい年を迎え、新たな気持ちでスタートを切られた方も多いと思います。

 さて、昨年はコロナ禍も落ち着き、これまで中止していた各事業を再開することができました。例えば、ふるさと懇談会です。地域が主体となり地域の実態や課題に沿うよう7年前から実施をしています。その中で感じることですが、参加者の方たちの人権意識のレベルが確かに高まっていることです。どうしてなのか考えてみると、以前に比べると、テレビをはじめとするメディア(情報を伝えるためのもの)から多くの情報が発信されているからかもしれません。役に立つ情報も勿論たくさんありますが、人を批判することで終わってしまっている面も数多く見かけます。何が正しくて、何が間違っているのか、迷うのは私だけではないと思います。

 では、どうすれば、正しいことを判断できるのでしょうか。正解はないのかもしれませんが、学校教育の中で、正しいことを正しく学ぶことが、よりよい方法の一つではないでしょうか。


部落史の見直し

 そこで、菊池市の小学校や中学校では、どんな内容の歴史学習や社会科学習をしているのか紹介します。現在、身分制度についての解釈が違ってきています。例えば、小学校6年生で使用されている「新しい社会6(歴史編)東京書籍」では、次のように記載されています。 

 々のくらしと身分

 江戸時代の社会は、支配者である武士をはじめ、百姓や町人など、さまざまな身分の人々によって構成されていました。(中略)

百姓や町人とは別に厳しく差別されてきた身分の人々は、仕事や住む場所、身なりを百姓や町人とは区別され、村や町の祭りへの参加をこばまれるなど、厳しい差別のもとにおかれ、幕府や藩も差別を強めました。これらの人々は、こうした差別の中でも、農業や手工業を営み、芸能で人々を楽しませ、また、治安などをになって、社会を支えました。

 現在では、「士」「農」「工」「商」というのはすべての職業を表す意味で、身分制度を表すものではなかったというのが一般的な考えとなり、教科書では扱われていません。10年ほど前からは、「士農工商」という言葉は小・中・高校のすべての教科書から姿を消しました。また、百姓や町人とは別に厳しく差別されてきた身分の人々についても、社会を支えてきたことが表記され、大事な役割を担ってきたことが分かります。

 そして、その後の家庭教育や社会教育の中で学びを続けていくことが、人権問題解決に向けたアップデート(最新のものに更新すること)につながると考えます。私達の周りでは、これまで当たり前だと思われてきたことが、根拠のないことだったと気づくことも多いのではないでしょうか。部落差別をはじめ様々な人権問題解決のためには、正しい理解が正しい行動につながるのです。今一度自分を振り返りいい年にしてみませんか。



 (文責:地域人権教育指導員 宮川 淳一)

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