「差別落書きは決して許されない」
本市の小さな路地のブロック塀で、今年2月に部落差別落書きが発見されました。昨年以降、菊池管内では、部落差別事件や部落差別落書きが、相次いで発生しており、いまだに偏見や差別意識が社会に根付いているのが現実です。
今回の部落差別落書きは、公共施設ではなく、個人宅のブロック塀の2ヶ所に、相手を蔑む差別的な呼称が書かれていました。
人通りが少ない路地でしたが、通行する誰もが目にすることができる場所でした。
【悪質で卑劣な犯罪行為】
落書きは、軽犯罪法や刑法の器物損壊罪等で罰せられる犯罪行為です。さらに差別表現により、人の心を深く傷つける重大な人権侵害と言えます。
このような落書きは、無差別に人を攻撃して、人の心を傷つけ、時には恐怖を感じさせます。
また、自分の欲望を満たすだけでなく、見た人に、偏見や思い込みにより新たな差別意識を植え付けたり、助長したりする恐れもあり、決して許されないものです。
【差別落書きが意味すること】
差別落書きは、非常に匿名性が高く、特定が困難であり、内容も日頃の自分自身の差別的な考えや思いが「卑劣な差別落書き」として現れたものです。
しかし、このことがどれだけ人を深く傷つけ、苦しめ、不安にさせることにつながるか、私たちはよく考えることが必要ではないでしょうか。
落書きをした当事者は、もちろん問題ですが、広く社会に存在する差別意識がさらに問題であり、こういった差別意識をなくしていくことが大事なのです。
【人権問題について考える】
今回の部落差別落書きを受けて、市全職員が「許せない行為」として共有し、すぐに、公共施設に差別落書きがないか確認を行いました。
ある小中学校の教職員からも「傷つく子どもたちがいる。これは大変な問題だ」と怒りの声が上がりました。
また、「これが現実か、いつになったら差別がなくなるのか、孫には見せられん」と怒りと悲痛が入り混じった声や想いが届けられました。
人権問題は、「自分には関係ない」と思わずに、自分のこととして考えることが大切です。一人ひとりが自分の心に問いかけることが、差別をなくしていくことにつながるのではないでしょうか。
菊池市部落差別等撤廃・人権擁護に関する条例の第3条に、差別をなくすための市民の責務が掲げられています。
「差別のない明るいまちづくり」の実現をめざし、市民みんなで学び合い、共に語り合いましょう。
市では今後も部落差別をはじめ、あらゆる差別の解消に向けて人権教育・啓発に取り組んでいきます。
市民の皆さんのご理解、ご協力をよろしくお願いします。
【差別落書き等を発見した場合】
もしも、このような差別落書き等を発見した場合は、すぐに消さずに、市役所や施設の管理者に連絡してください。
人権啓発・男女共同参画推進課
0968-25-7209