【玉名温泉】
昔、都の姫さまが観音様のお告げを受け玉名の炭焼き小五郎の元に来ました。小五郎は「食べるものもないから」と縁談を断りますが、姫は「お告げだから妻にしてほしい」と小五郎にお金を渡して米を買いに行かせます。お金の価値を知らない小五郎は、沼にいる白鷺にお金を投げつけました。怪我をした白鷺は湯煙がのぼる田んぼに降り、しばらくすると元気に飛び去りました。不思議に思った小五郎がこの田んぼを探ると、地の底から熱い湯が湧き出ていました。これが玉名温泉の由来です。
【山鹿温泉】
山鹿温泉の発見は今から約900 年前にさかのぼります。保元元年(1156)、戦に敗れ都から落ち延びてきた宇野親治が、山中で鹿が湯につかって傷を癒しているのを見かけました。これが山鹿温泉の発見と伝えられています。実際には山鹿の地名はさらに古い奈良時代の「筑後国風土記逸文」や、平城京で発掘された木簡にも「山鹿郡」の文字を見ることができます。平安時代の『和名抄』でも山鹿郡温泉郷という記述があって、広く温泉の存在が知られていました。
【菊池温泉】
昭和29 年、菊池温泉が湧出した経緯には不思議な出来事がかかわっています。
当時商工会会長であった村川信彦さんは夢を見ました。夢の中で隈府町全体が見渡せる城山の一角に立っていると、突然下の方から姿が真っ白で目も覚めるような綺麗な銀鱗の白龍が昇ってきました。その後ろに立っていた美しい女性が「会長さんあれは親龍でございますよ。子龍をご覧なさい」と言われた場所を見るとたくさんの子白龍が一面に立ち込める湯けむりの中に戯れているのが見えました。「下は地獄の湯けむりだろう」と呟いた後に目を覚ましたという不思議な体験をしています。その後、白龍の現れた場所を掘ったら、見事に温泉が湧出しました。
菊池市では毎年「菊池温泉薬師祭」を行い、薬師如来様(夢に現れた女性)に感謝を捧げています。
画:東耕平




