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日本遺産

Heritage of Japan

深掘り!菊池川流域日本遺産エピソード~伝説と文化をたずねて~②【菊池川流域の自然】

2026年05月01日

菊池川流域は熊本県北部を流れる菊池川に沿って広がる地域で、昔から米づくりが盛んな場所です。菊池川流域の地形や地質には大きな特徴があります。かつての火山活動によってもたらされた火山灰や火砕流の堆積物が地形を作り、上流にそびえる標高の高い山々から流れ出す川や地下水が、流域一帯の低地を潤しています。これらの自然現象によって得られた低地の土は、水田に適した土壌となりました。

こうした自然の恵みに加えて、地域の人々が重ねてきた工夫や努力も、米づくりを支える大きな力となっています。明治時代、菊池市七城町の一帯はぬかるんだ湿田が広がり、人も家畜も入りにくい土地でした。そこで立ち上がったのが、「土地改良の父」と呼ばれる冨田甚平(1848‐1927)です。冨田は、田んぼの水はけの悪さが収穫の差につながっていることに気づき、自らの手で改善に取り組みました。湿った田の地下に青竹を敷き詰めて水の通り道をつくるという方法を試みたのです。すると、ぬかるんでいた土地が徐々に乾き、耕作がやりやすくなりました。この経験をもとに、冨田は後に留井戸や水閘土管といった水を自在に調整できる仕組みである「冨田式暗渠排水技術」を考案し、数多くの湿田を米づくりに適した土地へと変えていったのです。

菊池川がもたらす豊かな自然の恵みと、それを活かそうと力を尽くしてきた先人たちの知恵と努力の結晶が、今もこの地に息づいています。


菊池川  





菊池川の風景


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