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埋蔵文化財・文化・歴史

Cultural Heritage, Culture and History

市指定無形民俗文化財「嫁とり祭り」と「稗方神楽」が奉納されました(令和7年12月21~22日)

2025年12月23日

嫁とり祭り(12月21日)

令和7年12月21日(日)に、市指定無形民俗文化財「嫁とり祭り」が稗方区で行われました。

「嫁とり祭り」では稗方菅原神社で五穀豊穣、縁結びなどを祈願し、次の年の座元決めを行った後、今年の座元宅に場所を移して仮の結婚式の盃事が行われます。始められた時期は定かではありませんが、江戸時代終わり頃には行われていたといわれています。

結婚式の式場は座元宅にネコボクを敷いて周囲に幕をめぐらせた中で行われます。

幕   


 

神職によるお祓いと祝詞奏上の後に、新郎役と新婦役が三三九度の盃を交わして仮の夫婦が誕生します。その後参加者(観覧者含む)全員に振舞われた甘酒で乾杯し、最後に神職から「この婚礼はあくまでもこのネコボクの上のことだけ」と告げられ、参加者からの大きな笑い声に包まれて終わります。

嫁とり祭り   


 

甘酒   


 

本来は稚児のお酌取りが通例でしたが、今年は稚児役がみつからなかったため、神職からのお酌取りでとり行われました。 区長さんからは、次年度は稚児役も決まっているとお話を聞きました。


稗方神楽(12月22日)

嫁とり祭りの翌日夜には、同じく市指定無形民俗文化財である「稗方神楽」が稗方菅原神社にて奉納されました。 

稗方神楽は今からおよそ140年前から今日まで一度も絶えることなく継承されており、現在では7名の保存会の方々によって伝えられています。毎年菊池神社の大祭日4月と10月、稗方菅原神社の祭日(嫁とり祭りの翌日)に奉納されています。阿蘇神社に起源をもつ肥後神楽の流れを汲むもので、菊池川流域日本遺産の構成要素の一つでもあります。素朴な太鼓・笛のリズムに乗せて勇壮な舞が展開されますが、この日は継承されている10座のうち、奉剣の舞、榊の舞、四剣の舞、地固の舞の4座が奉納されました。

剣  

   


 

榊   


 

四剣   


 

地固め   


 

地元の方からは、「後継者不足が悩みの種で、どこも神楽を継承していくのは大変だが、今まで続いてきているものであり、舞えるうちは頑張りたいと思います」とお話を聞くことができました。


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