公益社団法人大日本山林会が主催する令和５年度全国林業経営推奨行事において、菊池市の緒方啓一（おがたけいいち）さん（穴川区）が「林野庁長官賞」を受賞されました。

　この全国林業経営推奨行事は、都道府県知事から推薦された優良林業経営体から特に優れたものを農林水産大臣賞、林野庁長官賞、大日本山林会会長賞として選定し、表彰等を行う行事です。

　東京都内で開催された表彰式では、秋篠宮文仁親王殿下から緒方さんへ称賛の言葉がおくられました。

　緒方さんは、平成８年に「原木椎茸こだわり会」を結成し、「椎茸204（ニイマルヨン）」を復活させました。この「椎茸204」は、一時は全国的に栽培されていた菌種ですが、生産性の低さや収穫の困難さから生産者が減少し、ついには種駒の供給も終了してしまいました。

　しかし、「椎茸204」の持つ本来の香りと、独特の歯ごたえをもう一度味わいたいという消費者からの要望を受け、菌種メーカーとの交渉を重ね、種駒の生産休止から約８年の歳月を経て、生産を復活させました。平成25年には、高級路線での販売に方針を変え、「幻の椎茸204『黒香』」としてブランド化され、近年では、東京、大阪など都市部からの注文も増えております。

　また、県内の椎茸生産者の生産性向上や所得向上に向けた研修会等を企画・運営し、地域の椎茸産業の振興に加え、地域の若手林業者の育成など、献身的に活動されております。

　さらに、この受賞を江頭市長へ報告するために、ご夫婦で表敬訪問されました。江頭市長は、これまでの取組みに対する称賛と、更なる活躍を期待して激励の言葉をおくられました。