「えづけSTOP!対策」とは
「えづけSTOP!対策」とは、熊本県が推進している地域みんなで取り組む鳥獣被害防止対策のことです。 農作物に被害を与えるイノシシやニホンジカ等の野生動物に、無意識のうちに行ってしまっている集落や田畑を使った「えづけ」を「やめる(STOP)」という考え方です。
熊本県内では、毎年、約5億円の野生鳥獣による被害が報告されています。近年の被害の増加の原因として、イノシシやニホンジカの繁殖の数の増加や狩猟者の高齢化等があげられますが、実はそれだけではありません。
被害が増加しているのは、私たちの普段の生活の中で、気づかないうちに野生鳥獣を「えづけ」してしまっているからです。鳥獣被害は、野生鳥獣が集落や田畑を「エサ場」と認識することから始まります。
「エサ場」とは、鳥獣が身を隠せる「ひそみ場」と、収穫しない野菜、果実などの「エサ」の両方がそろう場所です。人間が無意識のうちに鳥獣に対して自分の田畑や集落を「エサ場」として学習させること、これを「えづけ」といいます。
つまり鳥獣被害対策の基本は、この「えづけ」をやめることにあります。
「えづけSTOP!対策」はその順序が大事です
- みんなで勉強
- 守れる集落・守れる農地づくり
- 柵で守る、追い払う
- 捕獲
狩猟者による捕獲数よりも、繁殖数が多い場合は、個体数は増える一方です。また、電気柵等を設置していても、草刈等の管理が不十分では、イノシシ等は簡単に柵を突破してしまいます。したがって、正しい被害対策は、有害鳥獣捕獲、侵入防止柵による対策、環境整備の3つを総合的に取り組むことが大切とされています。