目の不自由な人たちにも「広報きくち」の内容を伝えたいと、ボランティアグループ「ひこばえの会(代表:葉室様)」と「輪々(代表:宇佐川様)」が、朗読した内容をCDに録音する作業を毎月行っています。それぞれの活動内容についてお伺いしました。
「平等な暮らしが当たり前」だと思います。
何名で活動されていますか?
現在の会員数は11名です。うち4名は、熊本県点字図書館のボランティアを兼務しています。
活動内容をお聞かせください。
広報きくち等を音声訳し、希望者へ配布しています。パソコンを利用し、録音編集を行っています。また、県の視覚障がい者福祉協会主催の歩こう会やゲームなど視覚障がい者の方たちとの交流を行っています。(交流会を実施しているのは県内でも珍しいそうです。)
自分たちで研修会を開催し、スキルアップも図っています。会員の中には、大津町、合志市、山鹿市等で指導をされている人もいます。
一回あたり何名で作成されていますか?
現在は、一班あたり3~4名(四班体制)で録音を行っています。
主な活動場所はどちらですか
主に、菊池市社会福祉協議会と菊池市老人福祉センターで行い、また自宅での作業も行っています。
現在利用されている人は?
現在は13名の方に配布しています。うち1名は視覚障がい者ではない高齢者の方へお渡しています。ほぼ旧菊池地区の方で、一部旭志の方がいらっしゃいます。利用者の方が少ないので増えてほしいところです。
配布方法は?
郵送しています。1名の高齢者の方には手渡しています。
活動される中での問題などありますか?
最近カセットテープからCDに移行しました。CD録音に伴うパソコン操作習得のため、26年4月から7月にかけては自分たちで研修会を重ねてきました。作業は録音に6時間から7時間程度、編集に数日かかっているところです。
ひこばえの会では専用の機器で作成しているので、再生する機器も専用のもの(またはMP3音源が再生できるラジカセ)が必要なんですよ。その点は、新しい利用者の方には少しご負担をかけてしまうかもしれません。また、ボランティアとはいっても、読まれる方に情報を正確に伝えるたえることが必要ですので、読み間違いはもちろん、読み方(表現の仕方)にも慎重になりますね。ちょっとした読み方の違いでも、広報誌がお伝えしたいこととは別の意味に捉えられることがあるので、一つ一つ慎重に読み上げているところです。
活動に対する思いをお聞かせください。
みんなが平等に暮らせる社会が当たり前だと思います。そのために、少しだけですがお手伝いができればとの思いで活動しています。働きながらボランティア活動をしている会員もいることも分かってもらえればありがたいですね。
自分たちでは利用希望者の把握が出来ないので、もっとこの活動をお知らせしていただけるとありがたいです。
「喜んでもらえること」が源です
音声訳ボランティア「輪々」(代表:宇佐川 様)
何名で活動されていますか?
現在は9名で活動しています。
活動内容をお聞かせください。
ボイスレコーダーとパソコンを利用してのデジタル録音で、菊池市広報の音訳CDを作成して利用者さんにお届けしています。
一回あたり何名で作成されていますか?
一回あたり3名から6名で作成します。カセットテープのときは、偶数月と奇数月で分かれて作成していましたが、現在はその月に集まることが出来る人で作成しています。
主な活動場所はどちらですか?
主に泗水地域福祉センターで録音作業を行い、編集は自宅で行っています。
現在利用されている人は?
現在は5名の方に配布しています。現在は泗水町在住の方のみですが、ご要望があれば泗水町に限りません。
配布方法は?
会員による手渡しで行っています。以前は、利用者さんのヘルパーさんに依頼していましたが、利用者さんとのコミュニケーションが図れるため、現在は会員による手渡しのみです。
活動される中での問題などありますか?
カセットテープの時は、その場での修正なので5~6時間かかっても即完成していましたが、録音終了後の修正は困難でした。デジタル音訳CDの場合は、録音後に編集作業の中で修正していきますので、編集作業に時間はかかりますが、より品質の高いものを目指せます。
助成金で購入したデュプリケーターで1度に3枚CDのコピーができます。できれば、もっと多くの人にご利用いただきたいですね。
活動に対する思いをお聞かせください。
相手に喜んでもらえること、またコミュニケーションが取れることがこの活動を続けている一番の源です。私たちが知らないところにも必要とされている人がいると思いますが、私たちでは把握できません。市役所から啓発してもらうなどたくさんの人に利用してもらえることを願っています。
また、この活動に興味のある方は、ご覧になるだけでもかまいませんので、どうぞお気軽にご連絡ください。
両会とも終始和気あいあいとした雰囲気で進められていましたが、いざ録音を始めると真剣な表情になられて、その取り組まれる姿には「読んでいただきたい」という強い思いを感じました。