9月26日(木)に本市は台湾・宜蘭市と鹿児島県さつま町と龍郷町と、観光や教育などにおける交流や物産の交流などを行うことで一致し、国際交流促進覚書を締結しました。
宜蘭市、菊池市、さつま町および龍郷町(以下、「四者」という。)は、各々の地域振興や人材育成に向け、国際交流の促進に協力して取り組むため、本覚書を締結する。
1 四者は、友好な関係を築き、相互の繁栄、発展について協力する。
2 四者は、観光や教育等における相互交流の促進について協力する。
3 四者は、農産物、特産品等の物流の促進について協力する。
江頭実菊池市長は「今回の締結を契機として、学生や市民レベルでの繋がりを強化し、グローバルな人財育成をはじめ、関係団体とも連携しながら覚書が有効になるよう交流を進めていきたい」と話しました。
締結の経緯
本市と3市町は平成30年に西郷隆盛とその長男である西郷菊次郎とゆかりの深い都市間で協力・交流を図ることを宣言する 「西郷菊次郎翁を縁とした交流宣言」を行いました。しかし、新型コロナの関係などで思うような交流ができていませんでしたが、TSMCによる新工場建設や、阿蘇熊本空港の新旅客ターミナルビルの開業などにより、台湾との交流を更に推し進めていくことが重要となったことをきっかけに再スタートを切るために今回の締結となりました。
台湾宜蘭市について
台湾宜蘭市は台湾の北部にある宜蘭県の北部に位置する県政府所在地です。
農業が盛んで土地と水源に恵まれており、米、ネギ、キンカンなどが有名です。
また町には日本統治時代の忠霊塔や日本軍の通信所跡などがある「中山公園」や1906年に菊次郎により建築された和洋折衷様式の木造家屋が修復され歴史利用館として利用されている「宜蘭設治記念館」などがあり、台湾の文化と日本の文化が融合したような雰囲気がある町です。
他にも、1899年に銀行を改修し建設した「宜蘭美術館」や自然豊かな宜蘭河に面した「宜蘭河濱公園」、1909年に創立された長い歴史をもつ酒工場「宜蘭酒廠」などが主なスポットです。
本市と3市町の繋がりについて
本市と3市町の縁は西郷隆盛の長男である西郷菊次郎にあります。
菊次郎は西郷隆盛が潜伏していた龍郷町で生まれ、後に宜蘭庁長に就任し宜蘭河の工事などを行いました。その際に建設した堤防は今も残っており「西郷堤防」と呼ばれています。その後日本に帰国し、さつま町で永野金山の鉱業館長を務め、青少年の育成のために夜学校を開くなど貢献しました。
そんな菊次郎の父である西郷隆盛は菊池一族の初代、菊池則隆の子である菊池政隆の子孫だといわれており、龍郷町で潜伏した際は「菊池源吾」(吾が源、菊池にあり)と名乗り、子供には「菊次郎」と「菊草」と菊の字を入れた名前を付けたことから、菊池にルーツがあるといわれています。